「だんだん酒井宏樹も長友化が進んできた」フランス・リーグアン第12節 オリンピック・マルセイユ-カーン

ここまで11試合で8失点と、37歳のベテランGKヴェルクートゥルのブレイクでリーグアンで7位に付けているカーン。勝ち点3差で上位にいるとは言え、センターフォワード不足のマルセイユにとっては難しい試合になるかと思われたのだが、ちょっと意外な結果になってしまった。

マルセイユはいつもの4-2-3-1で、今回は1トップがミトログルでトップ下がサンソンという起用。対するカーンは3-1-4-2だが実質的には5-3-2というかなり守備的な形で、案の定マルセイユはボールを保持してチャンスは作るものの、ゴールが遠い展開になった。

まず試合開始直後に、左からのクロスをトヴァンが当て損ねて枠外に外すと、15分には酒井のシュート性のクロスが相手に当たってコースが変わったもののGKヴェルクートゥルに阻まれる。33分にもロングボールからミトログルが抜け出した場面もヴェルクートゥルが手で弾き、サンソンの決定的なクロスもミトログルが打ち上げ、トヴァンの切り返しからのシュートもセーブと、数々のビッグチャンスをマルセイユはモノにできない。

しかしこのまま前半が終わるかと思われた前半43分に、サンソンのポストプレイからトヴァンが右サイドで抜け出し、トヴァンのシュートは相手の足に当たったものの、こぼれ球をPA内に詰めていたルイス・グスタヴォが蹴り込み、ようやくマルセイユが先制点をゲットする。

ここからGKヴェルクートゥルから憑き物が落ちたかのようにマルセイユのゴールラッシュ。後半2分にGKからのロングボールをダイレクトで繋ぎ、サンソンが抜け出してのシュートはDFに当たるもトヴァンが押し込み2点差にすると、7分にもCKからサンソンがこぼれ球を拾ってカットインからシュートを決めて3点目。

ほぼこれで勝負は決まったと見るや、そこまでトヴァンとサンソンに右サイドのスペースを譲って守備的なプレイに終始していた酒井が、後半15分頃から鬱憤を晴らすかのようにオーバーラップをしまくったのには、ちょっとインテルで守りに専念させられている長友を見るようで笑ってしまった。

さらにマルセイユは、後半31分に酒井が獲得したCKからのクロスをミトログルが頭で決め、36分にはカウンターからミトログルのシュートをGKが弾いたところをトヴァンが押し込み5-0と、さらに2点のダメ押しを追加して試合終了。前半の苦しみ様からすると思いがけない大勝となった。

さて、これでしばらく欧州のリーグ戦は中断して代表ウィークに突入。ブラジルとベルギーの試合では酒井や長友にオーバーラップするような場面は無く、ほぼ守備専でCBと一緒に壁を作る役割が多くなるだろうが、リーグで鍛えた守備力を存分に発揮してもらいたいね。