「中村ハットで日本が大勝発進、久保は良くも悪くもメッシ状態」U-17ワールドカップ グループE 日本-ホンジュラス

10月6日からインドで始まったU-17のワールドカップ。グループEに入った日本の初戦は北中米カリブ海代表のホンジュラス。

日本にとってはグループステージを突破する上で絶対に勝利が必要な試合だったが、結果は日本が6-1と大勝、残りの相手がフランスとニューカレドニアという力関係を考えれば、初戦にしてほぼグループリーグの突破は確実な状況になった。

しかし試合はそんなに簡単な流れではなかった。序盤から日本がボールを持って、ホンジュラスは4-5-1の形で守ってカウンター狙いという展開になり、日本はホンジュラスの荒い守備もあって攻撃のリズムが作れず、攻めあぐねてはミスからSBが上がったスペースを突破される危ないシーンを作られていた。

それだけに、前半22分に久保のCKを中村がヘディングで合わせた先制点は大きかった。これでホンジュラスは前に出て来ざるを得なくなり、30分にそのラインの裏を突く久保の浮き球パスを中村が絶妙のトラップから切り返して2点目のゴール。

日本はこの2点目で少し気持ちが緩んだのか、全体的にパスを受ける動きが少なくなってビルドアップがスムーズに行かなくなり、ミスからCKの流れになって、そのCKにGK谷が飛び出したもののボールに触れず、混戦から押し込まれて1点差に迫られると、その後は勢いに乗ったホンジュラスがフィジカルとスピードを活かしてサイド攻撃を仕掛け、嫌な流れになりかけた。

が、前半終了間際にホンジュラスのDFラインを抜け出した中村に、上月からのスルーパスがピタリと合い、これを中村が落ち着いて蹴り込み前半だけでハットトリック。その直後には中村のワンタッチパスを受けた久保が、得意のニアサイドの上を撃ち抜くシュートを決めて4-1で前半を折り返す。

さらに後半6分、また久保が中央からの絶妙な浮き球パスを出すと、福岡の折り返しから宮代が頭で決めて5点目。これで試合はほぼ決まり、日本はその後ペースを落として試合をコントロール、3人目の交代があってから福岡の負傷で10人になってしまったが、後半45分に左サイドを駆け上がった鈴木がパスを受けて相手を交わし、6点目を決めて試合終了。

日本はSBの対人守備が弱いし、簡単にポストプレイから前を向かせてしまったりと、守備面ではまだまだ課題が残る部分はあったが、攻撃はホンジュラスのDF陣があまりにボールウォッチャーだった面があるとは言え、個人能力で簡単に点が取れるところを見せつけ、選手にとっては自信になったのではないだろうか。

注目の久保は、前半はさすがの精度とテクニックは見せつけたものの、後半はバテてほとんど歩いた状態になり、後半16分にはPA内で相手2人をフェイントで交わしてゴールを狙ったがGKに止められと、良くも悪くもメッシのようなプレイだったね(笑)。

さて次の相手は、グループ最大のライバルであるフランス。ホンジュラスよりもさらにスピードとパワー、フィジカルで勝る相手だけに、優勝を狙う日本にとっては守備の真価が問われる試合になりそうだ。