「負けはしたが調子は上向き、改めてケルンでの重要性を証明した大迫」UEFAヨーロッパリーグ グループH ケルン-レッドスター・ベオグラード

今期は公式戦で7戦未勝利と絶賛絶不調中のケルン。晴れのヨーロッパリーグ初ホーム戦だが、現実的にはターンオーバーせざるを得ず、主力の大迫とビッテンコートがベンチスタートで、2トップにはコルドバとギラシが入ったスタメンにして来た。

そのギラシだが、まんまコルドバのコピーという感じのプレイスタイルで、どちらも前線に張ったままほとんど動かず、ケルンは不慣れな3-5-2のフォーメーションを採ったせいもあって、全くビルドアップの形が作れず、ボールを奪われてはレッドスターにしっかり繋がれてゴール前まで持って行かれてしまう。

さらにケルンは守備でも個々人の寄せが甘く、その割に3バックの位置が高くてワンタッチでDFラインの間を抜かれるシーンを作ってしまい、案の定前半30分にショートカウンターからボアキエにミドルパスが渡り、マークに行きながらもあっさりと前を向かれ、距離と取り直した瞬間にゴラッソなミドルを浴びて失点してしまう。

前半の終わりごろに、セットプレイからのこぼれ球をヨイッチがダイレクトでゴールをかすめるシュートを放ったが、それまではわずかシュート2本、枠内ゼロという閉塞しきった状態だったケルンは、後半になって大迫とビッテンコートを投入、フォーメーションを4-4-2に戻した事で突然息を吹き返す。

大迫はいきなり、それまで誰もやってなかった中盤に下がってポストプレーを見せると、 バイタルにやボールサイドに顔を出してボールを受けたり、サイドに流れて展開を引き出すなど チームの潤滑油として攻撃を一気に牽引、ビッテンコートも果敢な攻め上がりを見せてケルンが完全にボールを支配する。

後半13分にはヨイッチがPA内で抜け出し GKと1対1になるがシュートはポストに当たり、20分にも大迫が相手ゴール前でボールを奪い返した流れからヨイッチがシュートするもこれまたポスト、28分にもラウシュのクロスをニアでビッテンコートが合わせるがまたまたまたポストと、ケルンは3度あった決定機を全てポストに当てる運の無さ。

大迫は20分ぐらいから相手のマークが厳しくなった中、終盤まで精力的に動き回ってシュートも2回打つが、いずれも相手に当たってゴールならず。ケルンは5分のロスタイムをもらって攻め続けたが、結局PAの中に8人を固めて壁を作ったレッドスターを最後まで崩せず試合終了。これでヨーロッパリーグは2連敗となり、早くも勝ち抜けが難しい状況になってしまった。

結果は最悪だったけど、後半に大迫が入ってからは全体がコンパクトになって中盤でゲームを作る意識が見られるようになり、これまでのリーグ戦からすると期待が持てる内容になって来ているようには思う。相変わらずコルドバに得点の気配は感じられないが、チームも大迫も最悪の時期からは脱しつつあのではないだろうか。代表戦でまた調子を崩さないことを願うばかりである。