「長谷部は相変わらず整えまくり、大迫はボールを収めまくるが決定機逃す」ドイツ・ブンデスリーガ

開幕から4連敗中と最悪のスタートを切ったケルンが、ここまでまだ1勝と調子がイマイチなフランクフルトをホームに迎えての試合。

ケルンのフォーメーションは4-4-1-1でコルドバと大迫がFWでの先発。ケルンはホームにも関わらず低い位置で4-4のゾーンを組むのはいいのだが、SBの位置取りが低くてビルドアップが出来ず、ひとまず攻撃はロングボールを蹴り込むのみ。

しかしコルドバはマインツ時代から全く変わらず、とりあえず頭で競ってからマイボールにしようとするセルフィッシュなプレイばかりで、チームメイトのコンビネーションを一切考えていない。大迫のほうにボールが来ればきっちり足元にボールを収めてくれるのだが、前を向いてもコルドバしかおらず、コルドバに通っても自分にリターンが返ってこないので、結局単発な攻めだけで終わってしまう。

フランクフルトは4-2-3-1で長谷部はダブルボランチの一角として先発。1トップはヘラー、トップ下がボアテングで、コルドバと正反対でポストプレイ専門で献身的なのだが、ガチノヴィッチ、レビッチを含めて前線はハードワーカーばかりでアイデアやテクニックに欠け、あまり得点の匂いを感じさせない。

そんなチームに対して、長谷部が取った方策はとにかく早いタイミングでボールを前に送る事。それが実ったのは前半22分で、長谷部の強い縦パスは相手に渡ってしまったのだが、マローのバックパスを拾ったガチノヴィッチがPAで倒され、微妙な判定だったがPKを与えられてアウェイのフランクフルトが先制する。

ケルンも前半26分に、大迫の巧みなキープからクロスをコルドバがシュート、こぼれ球をツォラーが詰めるも長谷部が喉でブロックして決定機をものに出来ず。35分以降もケルンがサイド攻撃を活発化させてフランクフルトを攻め立てるものの、アンカーの位置に入った長谷部が危険を察知しまくり、自陣のあちこちでカバーリングに奮闘、何とかケルンに得点を与えず前半を終了する。

後半に入ると長谷部はまたダブルボランチの位置に復帰、どうやら自分の判断でポジションを変えているようで、まさにリベロの働き。だが、試合は逆転を狙って攻勢を仕掛けるケルンペースで、4分には大迫がスルーパスを受けてPA左からシュートを狙うがボールに力なくGKがキャッチ。

後半15分に早くも3人目の交代をしたケルンは、両SHのリッセとビッテンコートが前線に張り出し、ボランチのヨイッチがドリブルで仕掛け、大迫はバイタルでボールを受けて前を向く攻撃に変化し、フランクフルトは防戦一方。

後半33分には長谷部のクリアを拾ったダイレクトシュートがフランクフルトの選手に当たり、サイドを抜け出した大迫の前に転がるが、フリーの大迫はこれを外してしまってこの試合最大の決定機をものに出来ず。その後はケルンの攻撃も息切れしてそのまま0-1で試合終了。ケルンは泥沼の5連敗で監督解任が視野に入る状況になってしまった。

長谷部が攻守に渡ってチームを整えまくって勝利に貢献した一方、大迫はボールを収める以外の仕事がイマイチで、まだ怪我からコンディションが戻りきっていない様子。チームの調子も最悪で出口は見えないが、何とか次のハノーファー戦で上向くきっかけをつかみたい。