「相手の股を抜いて2ゴール、まさに”股抜き王子”としてベルギーに旋風を巻き起こす森岡」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ 第6節  ワースラント・ベヴェレン-KASオイペン

今節は最終予選の試合明けという事で、コンディションが整っていない代表海外組は軒並みサブなどの扱いになっていたので、消去法で森岡が2ゴール1アシストと相変わらず絶好調なべヴェレンとオイペンの試合を観戦。

べヴェレンはいつものように森岡がトップ下に入った4-2-3-1だが、この試合はアンデルレヒトから移籍したスウェーデン代表のテリンが1トップに入った。そして現在勝ち点3とブービーに沈んでいるオイペンは3バック、実質5-4-1で守備を固める作戦に出て来た。

試合は当然ながらベヴェレンが圧倒的にボールを持つ状況になるのだが、ゴール前で9人のゾーンを固めているオイペンに対して、ベヴェレンは前線まで届くようなパスが出せず、逆にオイペンにカウンターからゴール前まで持って行かれて、セカンドボールにプレスをかけられ連続攻撃を許すという、バタバタした展開でスタートする。

しかし15分頃からベヴェレンがサイドチェンジを使って揺さぶり始めると、ここまで5試合14失点のオイペンはあっさり崩れ、前半17分に右サイドからの大きなクロスを森岡が折り返すと、ゴール前に飛び込んだ長身のボランチ、セックが長いリーチを活かしてボレーを決めてベヴェレンが先制、その直後には同じようにアーリークロスをテリンが落とし、走り込んだ森岡がGKの股を抜くシュートを決めてあっという間にベヴェレンが2点をゲット。

その後はオイペンも盛り返し、森岡が相手のCBロティエに厳しいタックルを受けるなどマークも厳しくなり、セットプレイからフリーでヘディングされてあわやのシーンを作るなど、その後は互いに単発のチャンスを作る一進一退の攻防が続く。そしてこのまま前半を折り返すかと思われたロスタイムに、左サイドを抜け出したケビンの折り返しから森岡がDFの股を抜くシュートを打つと、相手の足に当たってコースが変わって早くもドッピエッタ。

後半はオイペンが右サイドを中心にベヴェレンを攻め立て、ベヴェレンもここは無理せずじっくり守ってカウンター狙いの展開に。森岡もプレスバックで守備を助けて献身的な姿勢を見せるのだが、後半30分を過ぎるとやはり右サイドを中心にオイペンの連続攻撃を浴び、39分にはとうとう右サイドのスルーパスからクロスを合わされてゴール、3-1となったところで森岡はスタンディングオベーションを受けながら交代。

その後は交代で入ったムマエが活躍、後半42分にPA左でのドリブルを相手に倒されPKをゲット、これをテリンが決めると後半ロスタイムにもカウンターからテリンのクロスをムマエが沈め、結局試合はベヴェレンが5-1の大勝を飾って終了した。

森岡は2つのゴールが両方共股抜きで、後半には味方のバックパスも股抜きでスルーして相手に渡してしまうなど、どんだけ股抜きが好きなのかと(笑)。という冗談はさておき、やはりリーチが短い日本人にとっては、股抜きで相手のマークを無効化するのは1つの有効な手段であるというのが、森岡のプレイを見ていると実感させられる。組織的な守備が弱いベルギーでこのまま王様プレイをしていたのでは、代表に呼ばれる事はなかなか無いとは思うが、是非とも「股抜き王子」としてひたすら股抜きの技術を極めて欲しいと思ったりもする昨今である。