「マルセロを思わせるような鳥栖のサイドバックが」日本クラブユース選手権 サガン鳥栖U-15-柏レイソルU-15

昨日は8/24に行われていた、U-15世代の日本クラブユース選手権の決勝を録画観戦。

柏レイソルは4-2-3-1で、サガン鳥栖は4-4-2のフォーメーションというゾーン・ディフェンス同士のマッチアップだが、組織的には柏のほうが、FWにボールを当てて中盤がフォロー、そしてサイドへと流れるようにボールが動き、守備もコンパクトで洗練されていた。

鳥栖は柏に比べるといわゆるなんちゃってゾーンで、前線とDFとの距離が間延びしていて、中盤を埋めるために誰かがポジションを移してカバーするためにバランスが悪く、そのスペースを柏に使われる展開になる。

ただしU-15世代代表クラスを揃える鳥栖の個人能力は強力で、ひとまず彼らにボールが入れば何とかなってしまうのが強い。まず目立ったのは左SBの中野で、10分にサイドからのドリブル突破からクロスバーに当てるシュートを放つと、9番の田中は181cmの長身で足元が柔らかく、確実なポストで基点になる。そして前半29分には、鳥栖の10番佐藤が左足でゴラッソなミドルシュートを決めて先制点を奪う。

後半に入ると柏が猛攻を仕掛ける。後半5分の選手交代で、キャプテンの前田が攻撃時には前に上がった3-4-3へとなり、サイドの高い位置で何度も基点を作って鳥栖を押し込むが、鳥栖はゴール前に人を密集させて守備を固め、柏はPA内で何度もシュートチャンスを作るのだが、どうしても最後は人が邪魔になって芯に当たったシュートにならず、枠を超えたりGKに防がれたりと追いつけない。

すると後半27分、鳥栖はカウンターから田中が巧みなボールキープでオーバーラップして来た中野にパス、これを冷静に左足で決めて鳥栖が試合を決定付ける2点目。柏は直後に角度のないところから直接FKを新保が決めて意地を見せるが、反撃はそこまで。サガン鳥栖U-15が見事にこの大会初優勝を飾った。

それにしても、鳥栖の田中、中野、佐藤は間違いなく将来のA代表が見込める選手で、特にレアルのマルセロばりに超攻撃的な中野は今まで日本に居なかったタイプでとても面白い。彼らの将来が楽しみである。