「色気を出し始めると、敵味方どちらも危険な吉田麻也」イングランド・プレミアリーグ第3節 ハダースフィールド-サウサンプトン

開幕から2連勝とロケットスタートを決めたハダースフィールドには、明日対戦するオーストラリア代表のムーイがいると言う事で、昨日は吉田がいるサウサンプトンとの試合を見てみた。

サウサンプトンも一応は2試合で1勝1分で来ているのだが、前半の内容は完全にハダースフィールドが上回った。ハダースフィールドは4-4-1-1のフォーメーションで、とにかく前線の選手へのマークが素早く、サウサンプトンはほとんど縦にボールを入れる事ができず、攻撃をほとんど組み立てられなかった。

サウサンプトンはボールを持っても3人目の動きがなく、ボールホルダーとそばにいる選手のアイコンタクトだけでパスを繋げているような状況で、それも時々お見合いでタイミングが合わなかったりと終始ギクシャク。途中からトップ下のデイヴィスがボランチに降りてゲームメイクしていたが、そんなにパスセンスがあるわけでない彼がその役目をしているだけでお察しな状況。

前半36分にはサイドチェンジのミスからスローインを繋げられてミドルを打たれるがGKフォースターがギリギリセーブをするなど、サウサンプトンも何度か守備を崩されながらも吉田ら守備陣が最後の部分でかろうじて跳ね返し得点を許さない。

後半になると、サウサンプトンもようやく攻撃に縦へのスピードが見られるようになるが、サイドを突破しても両SBがほとんど上がって来ないのでなかなか攻撃に厚みを作れない。が、後半35分を過ぎるとハダースフィールドの足がピタリと止まり、そこからサウサンプトンの猛攻がスタート。

39分には相手のカウンターをウォード・プラウズが途中でカットしてゴール正面からシュートもGKに阻まれ、42分には吉田がドリブルで持ち上がり、ボールを預けてゴール前に飛び出してクロスに合わせるも足に当てそこねてファーに外れる超決定機。ロスタイムにもタッチライン際からのクロスをバートランドがフリーでヘディングするも、ボールがジャストミートせずDFがクリアと、数々の大チャンスを物に出来ず、まさに痛み分けのスコアレスドローで終了した。

ムーイはかつて中村俊輔とチームメイトだったハートソンを思わせる、フィジカルと運動量を兼ね備えたファイターで、展開力は無いがポジショニングは上手い。代表にとっては、彼のファーストプレスをいかに掻い潜れるかが重要になりそう。

吉田については、ヒーローになり損ねた攻め上がりはあったが、逆に自陣で単独で前に出たりボールキープした時にボールを奪われてピンチを招くなど、色気を出すととたんにプレイが不安定になっているのが気になった。イラク戦でやらかしているだけに、オーストラリア戦では安全第一でプレイしてもらいたいところだ。