「ハリルホジッチが思い描く理想がこれなのかもしれない」イングランド・プレミアリーグ第3節 マンチェスター・ユナイテッド-レスター・シティ

現在開幕から連勝と絶好のスタートを切ったマンUと、岡崎が今回も先発で出場したレスターという注目の試合。

しかし試合は序盤からマンUがレスターを圧倒、ルカクのポストプレイ、ウイングのマルシャル、ムヒタリアンの突破でゴリゴリとレスター陣内に攻め込み、トップ下のマタが自在に絡んでアクセントを付け、ブリント、バレンシアの両SBがオーバーラップして4-4ゾーンで縮こまるレスターをさらに外から攻め立てる。

レスターは岡崎がいつも以上に、前線でプレスをかけては中盤に下がってスペースをカバー、攻撃に出ると何とかマンUの中盤に出来たわずかなスペースでボールを受けられるように飛び出し、そこにパスも来るんだけど、ポグバとマティッチを中心としたハイプレスに潰され、ヴァーディもベイリーのスピードに抑えられてシュートまで持ち込めない。

前半は、岡崎のミスパスから与えてしまったルカクのPKを止めるなど、レスターGKペーター・シュマイケルの孤軍奮闘で何とかレスターは耐え忍んでいたのだが、毎度のパターンで岡崎が交代で下がってから失点、後半37分にもリンガードの突破からゴール前に詰めていたフェライニに押し込まれて2点目、これでほぼ勝負は決まってしまった。

レスター自体はシュートを合計11本打ったが、決定的なものは後半ロスタイムにクロスをキングが合わせたシーンのみで、エースのヴァーディは結局シュートゼロ。開幕から2試合連続ゴールで、マンU相手にもゴールが期待された岡崎は、打ったシュートはヴァーディからの落としをダイレクトで打った、ダフリ気味で威力の無いシュート1本だけで、60分に無念の交代。

最近はアーセナルでさえ3バックを採用する中、今期のマンUはずっと4-2-3-1フォーメーションを貫き、戦術自体はハイプレスとSBのオーバーラップによるサイドでの数的優位と、今では古典的と呼べるサッカーではあるのだが、とにかく攻守の切り替えが非常に速く、ボールを奪ってからゴールへ行くまでのスピードは誰にも止められない。

現代サッカーは戦術同士のジャンケンがものを言う戦いになっているのだが、モウリーニョの場合は相手がパーを出してもグーのまま突き破ればいいだろう、という確信犯的な自信が感じられる。その点、戦術的な幅が狭いハリルホジッチと考えが似ているところもあり、もしかするとハリルホジッチはこのマンUのようなチームを代表に求めているのかもしれない。さてオーストラリア戦はそんな思惑が実る試合になるのだろうか?