「ゆるふわプレイで期待に応えられなかった鎌田、逆に長谷部は安定感」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 フライブルク-フランクフルト

フランクフルトへ移籍して開幕のフライブルク戦からいきなりスタメン起用された鎌田。ポジションは3-1-4-2の2トップの一角で、長谷部は3バックのアンカーとして出場。

フライブルクのフォーメーションは3-4-2-1と同じ3バックでの対決だが、試合はホームのフライブルクがボールを保持してフランクフルトは5バックでゾーンを作って待ち構える展開。いきおい、鎌田にはロングボールや縦パスをマイボールでキープする役目が多くなるのだが、当然のようにボールロストは多く、前半10分に右サイドでボールを奪ってからハラーのシュートに繋げたプレイ以外はほとんど目立たず。

しかし昨シーズンに合計で30点を取った選手を2人とも移籍で失ったフライブルクはさらに攻撃が機能せず、一度ロングボールの跳ね返しを拾ってクロスからゴールに繋げたシーンはあったがオフサイドで、結局前半に放ったシュートはたったの2本。逆にフランクフルトは16分にセットプレイからファラーのヘッドがわずかにポストを外れ、35分にはハラーのシュートがクロスバーを叩くなど、決定機も含めて9本のシュートで圧倒する。

後半に入ってすぐはフライブルクが勢いを見せたものの、すぐにフランクフルトが右サイドの主導権を奪って盛り返すものの、中を固めるフライブルクの守備はなかなか崩せない。そして後半22分に鎌田に代えてケビン・プリンス・ボアテングを投入すると、相変わらずの強靭なフィジカルでイーブンボールの競り合いで強みを発揮、フランクフルトはゴール前でのチャンスが増える。

が、終盤は引き分けを視野に入れ始めたフランクフルトに対し、ホームで勝ちたいフライブルクが前からプレスをかけてセカンドボールを拾い、アタックを仕掛けるがやはり最後までどちらもゴールは割れずそのまま試合はスコアレスドローで終了。フランクフルトはアウェイで勝ち点1は取ったが十分勝てた少しもったいない試合だった。

鎌田はやはりまだブンデスリーガでは明らかにインテンシティが足りない。攻撃でのダッシュ、守備でのプレスバックも、一応足は動かしてはいるのだが全力を出しているようには見えず、単なるフリをしているように思えてしまう。まあ鎌田の場合は日本に居てた時からそういう雰囲気のプレイスタイルだったので多少損な面はあるのだとは思うが、ドイツ人は全力プレイ(に見える)選手を好むので、そこは早めに改善したいところだ。柴崎も最初は似たようなものだったが半年ですっかり変貌したので、鎌田にも出来るはず。

長谷部のほうは、相手に1度裏を取られた場面はあったものの、怪我明けとは思えないぐらいに安定感のあるプレイ。リベロとして冷静にラインを統率しつつ、WBにボールを散らしてフランクフルトの攻撃リズムを作り出していた。新戦力のハラーは決定力が怪しく、ボアテングもコンディションはまだ万全でなく、チームはマイヤーがいないと得点が期待できない状況はあまり変わらないが、何とか辛抱強く頑張って欲しいね。