「ポイントは、経験とコンディション、そしてローテーション」アジア最終予選 オーストラリア・サウジ戦メンバー考察

さて、いよいよ大詰めになったアジア最終予選、最後の2試合であるオーストラリア戦とサウジアラビア戦のメンバー発表が明日に迫って来ました。が、正直なところ今回のメンバー選考は非常に難しいです。

何しろ、今まで代表を率いて来た攻撃の主力選手が軒並み怪我か先発落ちの状態ですからね。大迫は日本からメディカルスタッフを呼んで状態を確認するらしいですが、いきなりぶっつけ本番は無茶ですし、香川や本田もようやく途中出場で試合に出だしたところで、久保も怪我明けでまだ本調子ではありません。原口に至っては移籍話が進まず、事もあろうにオーストラリア代表のレッキーに先発の座を奪われる始末。

海外組で万全なのは、岡崎や武藤、乾といった代表ではスタメンでは無い選手ばかり。長谷部、吉田、両酒井、長友といった後ろの選手は比較的順調なのが不幸中の幸いではありますが、全体的にはとても楽観的にはなれない状況です。

しかも、今回の2試合はどちらも直線に移動と時差がある事。欧州組は、涼しいヨーロッパから蒸し暑い日本に来て、またサウジへ移動という過酷なスケジュールです。逆に、サウジはUAEとの試合を日本よりも2日早いタイミングで行い、時差無しにホームで最終戦という日程とコンディション的には圧倒的に有利な立場になっています。

そう考えると、日本はある程度ターンオーバーも考えておく必要があるかもしれません。戦略的には、オーストラリア戦のメンバーはベストコンディションにある選手や時差の無い国内組で臨み、サウジ戦のメンバーはコンディション作りに専念したいところですが、ハリルホジッチの頭にそんな余裕はおそらく無いでしょう。

もし日本がオーストラリアに対して引き分け以下で終わり、サウジがUAE戦で勝利した場合、日本はサウジ戦に勝たなければプレーオフ行きになってしまうので、何としてでもホームのオーストラリア戦で決めてしまいたいですからね。

つーか、ぶっちゃけこのピンチはハリルホジッチ自らが招いたようなものですからね。イラク戦で経験の浅いメンバーを呼んだところを見ても、ハリルホジッチ的には、おそらくイラクには普通に勝つと思っていたはずで、ぶっちゃけちょっと舐めていた部分はあったんじゃないかと思います。

ところが、1年間シーズンを戦って来た海外組のレギュラー連中を厳しい練習で追い込んでコンディションを崩させてしまい、戦術は直前のシリア戦から変更でぶっつけ本番、イラク戦の乾ききった灼熱地獄で選手の足が止まり、思わぬ誤算になってしまいました。香川の脱臼も、練習による疲れが影響しなかったとは言い切れないでしょう。イラク戦に臨む戦略としては完全に失敗でした。

それだけに、今回は当然ながらハリルホジッチに後はありません。この難しい状況で、本気を出したハリルホジッチがどういう選択をするのか。個人的には、オーストラリア戦は武藤の1トップ、乾と久保のウイング、長谷部がアンカー、インサイドハーフが香川と今野という4-3-3で行って欲しいと思ってますが、果たしてどうなるでしょうか。