「浦和のFC東京に対する神通力、中島翔哉のシュートをポストに当てて8連勝」J1第23節 浦和レッズ-FC東京

当日は埼玉地方が悪天候に見舞われ、雷の危険があるという事で試合開始が1時間遅れの波乱で始まった、浦和とFC東京のライバル対決。

浦和は3バックのセンターにマウリシオが入り、3トップが興梠、武藤、李を並べたいつもと同じ3-4-2-1のフォーメーションなのに対し、FC東京は中断明けから採用した、高萩をアンカーに置いてインサイドハーフに橋本と米本を並べた3-1-4-2の形で臨んだ。

そうなると当然、前線の3人とWBはミラーでマッチアップになり、浦和は堀監督に交代してからはいきなり5トップになるのではなく、自陣にある程度ゾーンを敷いてからサイドが前に出て行く形になったため、試合はどちらもなかなか前線にボールがしっかり入らず一進一退の攻防が続く。

が、ミラーゲームなら浦和の連携に一日の長があり、前半17分に駒井が李とのワンツーで右サイドを抜け出すと、武藤がクロスを浮き球で落とし、それを興梠が叩いたシュートが東京GK大久保択生の手に当たってゴールに入り、浦和が先制点を決める。

ここまでほとんど攻撃の形が作れなかった東京だったが、ここで奮起したのが右WBの室屋。リオ五輪で同僚だった中島翔哉のポルトガル移籍話にもおそらく刺激を受けたのだろう、22分に積極果敢なDFライン裏への飛び出しで大久保のパスを引き出し、ダイレクトでの折り返しを橋本が押し込む美しい攻撃で東京だ同点に追いつく。

これで東京が勢いに乗るかと思われたのだが、インサイドハーフの米本にミスが多く、左WB大田のプレイ精度もイマイチで低めのゾーンで待ち構える浦和を崩しきれず。すると前半30分に、浦和はミシャ時代を思い起こすような、武藤と李、興梠の3人による華麗なワンタッチパスで中央を破ると、最後は興梠がゴール右隅にきっちり決めて浦和が再び試合をリードする。

そこから東京は反撃を試みるも、後半早々に室屋が槙野との競り合いで足を痛めて退場するアクシデント。ここで篠田監督は室屋の代わりに永井、米本に変えて中島翔哉と次々に攻撃的な選手を入れてカンフル剤とするも、ウタカは判断が遅くてチャンスを潰し、3人目の動きが無くて攻撃のリズムが作れない。

逆に浦和はラファエル・シルバを中心にカウンターが冴え、後半23分の武藤のシュートや、37分の矢島のポストに当たるシュートなど惜しいチャンスを作るも3点目は奪えず。東京も高萩や中島翔哉のミドルシュートのチャンスはあったが、どちらもゴールマウスに当たる不運で同点ゴールはならず、結局試合は浦和が2-1で勝利した。

これで浦和は、FC東京との直接対決で8連勝という相性の良さ。東京はおそらくポルティモネンセ移籍のラストマッチとなる中島翔哉の旅立ちを飾れず。と言うか、この1戦の勝利よりも後半戦全体を見据えたのかもしれないが、3バックの熟練度合いで勝る浦和に対して、同じ3バックでミラーゲームを仕掛けた意図がいまいち不明だったね。