「浦和が堀監督になって、変わった2点、変わらない2点」J1第20節 浦和レッズ-大宮アルディージャ

ペトロビッチ監督が解任され、堀監督へと交代した初陣となった、埼玉スタジアムで大宮とのダービーマッチ。

浦和のスタメンは左WBにこれまでほとんど起用が無かった菊地が入った以外は、フォーメーションもメンバーもペトロビッチ時代から大きく変わらず。ただし槙野が出場停止、那須が怪我のCB陣は、森脇、遠藤、宇賀神と高さに不安がある3人になった。

大宮のフォーメーションは4-1-4-1だが、アンカーの大山がCBに吸収されて5バックで守る専守防衛で、試合は序盤こそ互いにチャンスは作ったが、すぐに浦和が大宮の壁にクロスを放り込んでは跳ね返される膠着した展開に陥る。

が、浦和がそれまでと違ったのは、攻撃から守備への切り替え。各選手がボールを奪い返そうという意識が高く、大宮は後ろに比重がかかっているせいもあって、全くカウンターのチャンスを作り出すことが出来ない。

そして前半25分、相手のハンドで得たFKからゴール前での混戦になり、カバーに入った奥井の肩にボールが当たったように見えたが判定はPK。これを興梠が途中で足を止めながら蹴ったプレイに大宮がクレームを付けるが、それも有効とみなされ浦和がラッキーな先制点をゲットする。

6バックから4バックに戻した大宮に対し、浦和は攻勢を強めてサイドからチャンスを作るが、前半終了間際に遠藤が上がって放ったシュートは惜しくも相手に当たってゴールならず、前半は浦和が1点リードで折り返す。

後半になると大宮はさらに変化し、カウエが下がって3バックになり、大山がアンカー、トスカーノがFWに上がった3-1-4-2の形になる。これで大宮はサイドでの主導権争いで盛り返し、さらに前線へマテウスを投入して攻撃陣の強化を図る。

すると後半21分に、自陣のFKを宇賀神が遠藤にパス、しかし遠藤はそのプレイを全く予測してなくて反応できず、森脇は水を飲んでいたらしくて誰もカバーできず、トスカーノ、マテウスと渡ってフリーでシュート、これがファーに決まって思わぬ形で大宮が同点に追いつく。

しかし浦和もすぐに反発力を見せ、その3分後に森脇のサイドチェンジを受けて左サイドを突破した菊地が鋭いグラウンダーのクロス、大宮GK加藤が手に当てたがボールはこぼれてしまい、中に詰めていた柏木が押し込んで浦和が再びリードを奪う。

その後も浦和は武藤が2度の決定機を得るなどペースを握ったまま終盤に入り、このまま浦和が逃げ切るかと思われたのだが、後半43分に右サイドからのアーリークロスに対し、大宮の瀬川が消える動きから遠藤の前に入って頭で触ると、これがバウンドしてGK西川の伸ばした手を超えてゴールに入り、土壇場で大宮が追いつき試合終了。

浦和は堀監督に交代した事で、攻守の切り替えのスピード、新しい選手起用での刺激というプラス面はあったが、集中力の欠如や守りきる形の乏しさという部分は変わってないなと思った一戦だった。ポルトガル1部のマリティモからDFマウリシオを獲得したが、彼の加入も含めてどこまで守備を立て直せるか、これからが真価を問われるところだ。