ネイマールの巨額移籍が示す、ブラジル人選手と世界経済の行方

昨日は飲み会があり、最近の夏バテによる体調不良を押して何とか参加したものの、帰宅後あえなくテレビも見ずに撃沈。なので、今サッカー界でもっともホットな話題である、ネイマールのパリ・サンジェルマンへの移籍についてちょっと書いてみます。

ネイマール、バルサ最後の練習へ…286億円の世界最高額の移籍か – サッカー – SANSPO.COM(サンスポ)

ネイマール移籍騒動の決着は。メッシの2番手に甘んじてきたブラジル代表エースの葛藤。(森田泰史) – 個人 – Yahoo!ニュース

ネイマールパパが8月中のPSG移籍にこだわる理由 (日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース

ブラジル代表では恐ろしいばかりの輝きを見せるネイマールが、バルサにおいては常にメッシの日陰となり、守備をしないメッシに代わって左サイドで労働者役をこなしている現状に不満を持っているのは確かでしょう。これからサッカー選手としてはピークを迎える年代になり、バルサでメッシが引退するのを待つよりも、自分が完全なスターになれるPSGを選ぶのはある意味当然だとも言えます。

そしてそれよりも大きなのが、代理人を務めるネイマールシニアの存在。7月31日までバルサに在籍すると代理人に35億円の手数料が入り、しかもPSGへの移籍の際にも52億円がパパの懐に入る事になるそうです。もちろんネイマール自身の年俸も19億円から39億円にアップする模様です。つまりこの1年に、ネイマール一族には126億円のマネーが転がり込むわけですな。こりゃ脱税もするわけだ(笑)。

昨日、浦和がポルトガルリーグのマリティモから、ブラジル人DFマウリシオ・アントニオの加入内定を発表しましたが、ポルトガル1部の6位からJリーグの8位への移籍を決めた動機も、サラリーだと言われています。

現在ブラジルではリオ五輪までのバラマキ経済による好況は吹っ飛び、インフレと利上げのダブルパンチで景気後退期に入ってブラジルのクラブも有望選手を抱えられなくなり、健全財政のブンデスリーガよりもロンダリングマネーの中国やオイルマネーのロシアに行く選手が増えているそうです。

ジーコの例を見るまでもなく、ファミリーの結びつきが強いブラジルでは、稼ぎ頭のマネーに一族全てがぶら下がる事は当然の事なので、美味しい蜜に味をしめた人数が増えると、必要な金額も指数関数的に増えていく事になりますからね。しかも代理人が父親と来れば、ネイマール個人の選択権は無いに等しいでしょう。彼自身も、ある意味マネーの犠牲者だと言えるのかもしれません。