「初先発のポドルスキは、本当にワールドクラスのストライカーだったのか」J1第19節 ヴィッセル神戸-大宮アルディージャ

はい、ワールドクラスでした(即答・笑)。

いやその移籍後Jリーグ初ゴールの場面、特に反動も期待できそうにない緩いこぼれ球を、ほとんどノーステップで振り向きざま、ヒザから下だけのコンパクトな振りで、あれだけのスピードでPA外からサイドネットにシュートを決められる選手は、まあJリーグどころか欧州でもチャンピオンズリーグに出るようなチームにしか居ないよね。

2点目のシーンも、確かに大森のクロス精度は良かったけれど、ポドルスキは2人のDFに挟まれながらも全く体の軸がブレず、余裕でコントロールされたヘディングを流し込むのだから、相手チームの守備選手にとってみれば大木と競り合っているような感じだろうね。

まあボールが良い形で渡ってしまうと終わりなので、ポドルスキ対策としては彼に対してパスを出すところを抑えて行くしか無い。というのは当然大宮も分かっていた事だろうし、実際に前半はそれが上手く行っていたのも確か。

大宮は4-1-4-1のフォーメーションでコンパクトに守り、ポドルスキには河本がほぼマンマークでピッタリくっついて存在を消し、4-4-2の2トップとしてポドルスキと並んだ渡邉千真が衛星のように動き回ってボールを引き出していたが、そこからポドルスキにボールが渡る事はほとんど無かった。

逆に、SBが高い位置取りをする神戸の4バックに対して大宮のカウンターが炸裂、前半7分にはマルセロのスルーパスから抜け出した江坂が、神戸GKキム・スンギュを交わして無人のゴールに流し込むが、わずかにポストを外すビッグチャンスを生み出す。

フリーで左サイドを抜け出した橋本からのクロスが合わずにイラつきを見せるなど、それまではなかなかコンビネーションが合わずに孤立していたポドルスキだったが、前半30分ごろから中盤に下がってボールを受け、そこから前に飛び込む形でプレイに関与するようになると、徐々にホームの神戸に勢いが生まれ始める。そして後半4分にそのスーパーゴールが決まる。

ゴールが決まって調子に乗ったのか、そこからポドルスキは積極的なチェイシングで観客を沸かせるものの、大宮もSHのマルセロ、途中出場のマテウスを基点にニアゾーンへ飛び込む攻撃が機能し始め、15分に右サイドをマテウスが抜け出すと、ファーでフリーになっていたマルセロがクロスを押し込んで大宮が同点。しかし神戸も2分後に、前述したポドルスキのヘディングで再びリード。

これでまた流れを引き戻した神戸はその後もペースを握り、後半33分に左から橋本が上げたクロスのこぼれ球を、中へ走り込んだ田中英雄がシュート練習のお手本のようなゴールをダイレクトで決めて3点目。大宮は最後に投入したカウエにクロスを集めて抵抗するも、そのまま神戸が3-1のまま逃げ切って試合終了。

この試合を見る限りでは、今までのような評判倒れ外国人選手とは全く違う存在感を見せてくれたといえるが、神戸の次節はアウェイで柏レイソル戦。やはり大宮とは力の差がある相手、しかもアウェイという事もあって、ポドルスキの真価が試される一戦になりそうだ。