「相手が手抜きでも、長友アシストでインテルが勝ったのは何より」インターナショナルチャンピオンズ杯 バイエルン-インテル

アメリカ、中国、シンガポールで、多くのビッグクラブを集めて行われている世界的サッカー興行イベントであるインターナショナルチャンピオンズカップ。

これまでの試合を見ていると、完全にテストと割り切って試合をこなしているチームと、本気度が高いチームの2つに分かれている様子。前者の場合は、監督が続投してある程度戦力・戦術的には固まっていて、スタメンの選手はあくまで調整、あとは新戦力&若手のテストというパターン。後者は監督が交代、または移籍選手がたくさん入って、選手のアピールと競争の場になっている状態。

レアルやバイエルン、PSGは完全に前者で、インテルやシティ、バルサは後者という感じ。このバイエルン対インテルもまさにその両者の取組みに対する姿勢の違いがはっきり結果に出た試合だったと言える。

バイエルンは前節から2列目の並びをリベリ、ハメス・ロドリゲス、コマン、ボランチがトリッソとユース上がりのドルシュ、CBがフンメルスとゲッツェ弟の4-2-3-1、インテルはエデルの1トップに、ペリシッチ、ジョアン・マリオ、カンドレーヴァの2列目、ボランチがバレロとコンドグビア、DFは長友、ミランダ、シュクリニアル、ダンブロージオの同じ4-2-3-1。

試合はバイエルンがボールを支配し、バイエルンの中では珍しくコンディションが良いリベリにボールを集め、ハメス・ロドリゲスとのコンビで崩し、背が低い長友のサイドを狙ってクロス、折り返しをシュートという狙いでインテルを攻め立てる。

が、インテルはハンダノビッチの好セーブで序盤のピンチを凌ぐと、ボールを奪うと一気に前線が走り出し、同サイドで縦に素早くパスを通して、相手の守備が揃わないうちにクロスを出す、スパレッティ監督らしい速攻を繰り出し、前半8分にカンドレーヴァからのクロスを、エデルが消える動きでゲッツェ弟の前に入り込み、ヘディングを決めてインテルが先制する。

その後も試合のペースは変わらず、バイエルンが攻めてインテルが凌ぐ時間帯が続くと、29分に左サイドでボールを持った長友からペリシッチにスルーパス、またもエデルがクロスにピンポイントで飛び込み2点目をゲット。さらにバイエルンにとっては不幸な事に、その3分後に頼みのリベリが負傷退場するアクシデント。

後半からバイエルンはミュラー、レナト・サンチェス、フリーデルを投入してネジを巻き直し、序盤にコマンとレヴァンドフスキがチャンスを得るものの得点ならず。その後は両チームともにどんどんと選手を交代して試合から緊張感が失われ、このまま2-0で試合終了。

長友は89分までフル出場、2度ほどマークに付いた相手に入れ替わられるシーンは作ってしまったが、オーバーラップしても無視される事は多かったが(笑)、得点に繋がるスルーパスなどSHペリシッチとのコンビはまずまずだったし、長友の粘り強い守備にコマンが嫌がって、途中からドリブルをやめて早めにクロスを上げるようにしていたぐらい、それなりの存在感を見せていた。

が、SBだとやはり高さ不足を狙われる事が多く、得意のオーバーラップもスパレッティサッカーの速さにはライミング的に間に合わない事が多く、3-4-3のWBならともかく、4-2-3-1のSBとしては少し微妙かもしれない。スパレッティ監督からはある程度信頼されているっぽいが、果たして移籍問題はどうなるか。