「U-17日本代表の命運を握るのは、久保君じゃなくてこの男」第21回 国際ユースサッカー in 新潟 U-17日本-U-17クロアチア

昨日は夜の12時になってもツール・ド・フランスはまだ残り100kmとかの地点だったので、ライブで見るのを諦めて、たまたまBSスカパーでやってた国際ユースサッカーU-17のクロアチア戦を見る事にした。

真夏に中1日で3試合、10月に行われるU-17ワールドカップの選考を行う参考になる試合でもあるので、大きくターンオーバーをしながらの選手起用だったようだが、それにしても前半の日本はもたついた。

日本もクロアチアもフォーメーション的には4-4-2で、日本はSBが高めの位置に上がってビルドアップし、そこからFWの飛び出しに合わせたり、SHのオーバーラップやボランチの攻撃参加という形。

しかし序盤こそFW中村、斉藤が絡むシーンは作ったが、徐々に日本はSBから先にボールが運べなくなり、狭いスペースでの無理な打開を余儀なくされてはボールを奪われる嫌な展開。ここでプレスをかいくぐってサイドチェンジ出来れば大きなスペースが使えるのだが、クロアチアの連動したプレスで要所を抑えられ、球際の寄せやアタックも速く、日本は苦し紛れの横パスやバックパスで自らクビを締めている。

逆に、クロアチアは日本の中途半端な前線からのプレスをあっさりいなし、そこからロングボール一発で簡単に攻めて来る。日本はDFラインがプレスと連動していないので、相手のFWと毎回ヨーイドンを強いられ、裏を取られたりシンプルにポストからサイドのスペースを使われたりでリズムが悪い。

日本はゴール前の狭いところでちょこちょこドリブルやショートパスで打開しようとするのに対し、クロアチアは大きくシンプルにボールを動かし、1対1でははっきりドリブルで仕掛けるなど、判断と攻撃に余計な無駄がない。単純にテクニックは日本のほうが上なのだが、実戦的な上手さではクロアチアが一枚上のレベルと言える。

前半15分に、日本はボランチ福岡バックパスが相手へのパスになってしまってクロアチアに先制を許し、その後もセカンドボールを拾われて攻め込まれる苦しい展開が続いたのだが、この猛暑で35分ぐらいからクロアチアの脚が止まりだし、日本はようやく中盤で前を向いてプレイが出来るようになる。

後半から日本は平川、宮代、菅原を投入すると、試合は一気に日本のペースになる。ボランチに入った平川が、タイミング良くスパスパとバイタルに縦パスを通し、中央にクロアチアの守備の意識を向けさせると、それで出来たサイドのスペースをワイドに使い、右SHに移った福岡、左の上月らがドリブルで仕掛ける場面を作り始める。

そして後半14分、上月が左サイドでパスを受けてからPA内にドリブル、フェイントで切り返してのシュートが決まって日本が1-1の同点に追いつく。さらに疲れが激しくなったクロアチアに対して日本はその後も猛攻を仕掛けるが、日本は山のようにあったチャンスでシュートを決められず、逆に35分にカウンターからのクロスで決定的な場面を作られ、GK谷が連続でセーブする場面も作られたが、そのまま試合は1-1で終了した。

U-17代表で注目されるのは、やはり否が応でもU-20ワールドカップにも出場した久保という事になるのだろうが、この試合でもいるといないとでは戦況ががらりと変わったように、実は久保じゃなくて平川のチームではないかと思っている。平川のパスを久保がバイタルで受け、前を向いてプレイする、そういう回数をどれだけ作れるかが、本大会の大きなポイントになるだろう。