「バルデ最後の抵抗も、フルームにかすり傷1つ付けたのみ」ツール・ド・フランス2017 第18ステージ

今年のツール・ド・フランスで最後の山岳頂上ゴールとなる、アルプスの超級イゾアール峠が待つ第18ステージ。

アルプスステージではおなじみの街、ブリアンソンをスタートすると、いきなり序盤から新城選手を含めて激しいアタック合戦が続いた後、何と54人という大集団での逃げが確定、マイヨ・ジョーヌのフルームを含むメイン集団からは最大8分の差を付ける展開に。

残り約50km地点になる1級山岳ルヴァール峠で、54人の先頭集団からアタプマ、シカール、ギャロパン、ルツェンコがさらにリードを広げて頂上を通過すると、後方のメイン集団でもAG2Rチームが引っ張ってペースアップ、集団から選手を振り落として小さくなって行く中で、最後のイゾアール峠へともつれ込み。

先頭ではアタプマがルツェンコをキャッチして単独でリードを広げるが、メイン集団もぐんぐん先頭集団に近づき、総合争いをするファビオ・アルが早くも集団から脱落して行くと、バルギルとコンタドールがここからアタック、頂上まで残り5kmの地点で先頭のアタプマからは1分45秒の差まで詰めると、さらにバルギルがコンタドールを振り切って単独の追撃を開始。

メイン集団はチームスカイがコントロールしていましたが、同じチームスカイで総合5位に付けているランダがフルームを置いてアタック、当然総合上位のライバルであるダニエル・マーティン、バルデが追いかける中、フルームは彼らにしっかり追いついて余裕の表情。さらにはランダの2度目のアタックに呼応して、デュオで差を広げようとするものの、ここはバルデらもリードを許さず、4人の塊となって膠着したまま登りの最終盤に。

結局快調に逃げ切ってステージ優勝を決めたのはバルギル。その20秒後にはアタプマが2位でゴールすると、直後にフルーム、バルデ、ウランの3人がスプリント争いの結果、バルデが3位でゴールしてボーナスタイムを獲得、4位は同タイムでフルームで、ウランは少し遅れて2秒差で5位。これで総合順位は、マイヨ・ジョーヌはフルームが堅持、2位が23秒差でバルデ、3位が29秒差のウラン、このステージで1分22秒遅れたアルは5位へと後退となりました。

あと総合争いを左右するステージは、第20ステージの個人タイムトライアルのみ。2位のバルデがあまりTTが得意では無いので、実質的に優勝候補はフルームとウランに絞られたと見ていいでしょう。純粋な能力としてはフルームのほうが上で優位は変わらないですが、どんなアクシデントがあるか分かりませんからね、まだまだ油断は禁物です。

今日の第19ステージは、3級の登りはあるものの全体的には平坦なステージ。マイヨ・ヴェール争いはほぼマイケル・マシューズで固まってしまいましたが、ステージ優勝を狙う逃げ屋やスプリンターによる激しい展開になるでしょう。ここまであまり目立ってない新城選手には今度こそ逃げに乗って欲しいところです。