「世界と戦うという事は、常に新しい気づきを生むチャンスでもある」Jリーグワールドチャレンジ2017 浦和レッズ-ボルシア・ドルトムント

最近は空席が目立つ埼玉スタジアムが満席という事で、さぞかしスタジアムは赤一色になっていると思ったのだが、こんなに赤色以外のスタンドを見たのは初めてというぐらい、黄色のドルトムントユニフォームが目立っていてちょっと驚いてしまった。

まあそんな感じでドルトムントのチャンスに上がる歓声も多く、雰囲気も試合内容もいかにも国際親善試合という緩い試合ではあったのは確かだが、やはり浦和にとっては世界と戦う事で初めて生まれる気づきもあったのではないかと思う。

まず試合の立ち上がりは完全なドルトムントペース。浦和は完全な5バックの5-4-1で堅く守ってからカウンターを仕掛ける狙いだったのだろうが、ドルトムントのゲーゲンプレスの前に全くボールが繋げず。特にボランチの柏木のところが狙われていた。

Jリーグのリトリート守備では、選手がボールを受けてから次のプレイを考える時間を与えてくれるのだが、このレベルのプレスになるとそれは許されず、浦和の選手はちょっと体制が厳しくなるとすぐボールを後ろに送ってしまうので、そこで逐一攻撃がリセットされてしまう。

それでも試合の中で浦和もだんだんと厳しいプレスに慣れて行き、素早くサイドチェンジをして相手のプレスを交わし、ドルトムントの高い位置取りをするSBの裏を突くリズムが出来て来たと思ったら、CKから興梠が決めて先制。その後も武藤やラファエル・シルバが決定機を迎えるのだが得点ならず。

後半からドルトムントは4-3-3から3-4-3へフォーメーションを変更し、よりサイドから個の能力で攻める狙いを強め、それでも浦和は選手を交代しながら耐えてはいたのだが、後半31分、34分と槙野がエムレ・モルに2度も振り切られて逆転、浦和も遠藤がCKからヘッドを決めて追いつくが、その遠藤がヘディングクリアを後ろにそらす致命的なミスを犯してドルトムントが再びリード、そして試合終了。

ドルトムントの最後は皆暑さで疲れてヘロヘロだったけど、そこでキッチリ最後に決めて来るかどうかが、何度も感じる教訓だけどこれが世界との差なのかなと。そういう意味では残念ながら、浦和の中でドルトムントのレベルに対抗できる選手はいなかったようにも思う。

ただ5バックでしっかり守り、サイドチェンジで素早く攻める形はドルトムント相手にも通用する事が分かったので、その貴重な気づきをJリーグに活かして後半戦に繋げてもらいたいところである。