「ジロ・デ・イタリア組とランダによるファビオ・アル包囲網」ツール・ド・フランス2017 第13ステージ

王者フルームから、ファビオ・アルがマイヨジョーヌを奪い取った第12ステージの翌日は、ツール・ド・フランスにしては極めて珍しい101kmという短距離のステージ。しかしその中にはピレネー山脈の1級山岳が3つ含まれるという、決して気を抜くことが出来ないコースでもあります。

当然、新城幸也選手も含めて逃げ切り勝利を決めたい選手がリアルスタートからガンガン飛び出す展開で始まったのですが、最初の1級山岳ラトラップ峠でコンタドールがアタック、それにチームスカイからランダが追撃し、結果的に2人が逃げを形成する展開に。

次の1級山岳アニェス峠では、総合争いから遅れたキンタナがメイン集団からアタック、バルギルとクヴィアトコウスキーと2番手集団を形成、メイン集団はマイヨジョーヌのアル擁するアスタナチームのアシストが乏しいせいもあって動けず、これまた逃げを許す展開に。

最後のミュール・ド・ペゲール峠ではダニエル・マーティンやフルームが執拗にアタックを仕掛けてファビオ・アルを揺さぶるものの、アルはフルームに何とか食らいついて、マイヨジョーヌの逆転を許さない。フルームにしてみればアタックで先行するランダに単独で追いつきたかったところですが、ここはアルの意地が勝った感じ。

そうやってメイン集団が牽制する中、先頭ではコンタドールとランダにキンタナとバルギルが追いつき、最後は4人によるスプリントになりましたが、最後に脚を残していたバルギルが勝利、2位はキンタナでボーナスタイムを獲得。

結局メイン集団は1分48秒差でゴールし、総合順位の4位までは変化ないものの、5位に1分差でランダ、キンタナも2分差の8位にまで順位をアップさせ、彼らも優勝争いに再度加わる形になりました。特にランダは、フルームのアシストだけに今後は遊撃隊としてアルを疲弊させる役割になりそうで、マイヨジョーヌ争いがますます激しくなる事は確実です。

今日の第14ステージは、大きな上りこそ無いものの、細かいアップダウンが続くテクニカルなコース。また激しい逃げ合戦が展開される事になるでしょうが、是非とも新城幸也選手が逃げに成功してくれる事を期待したいです。