「チリは負けたけど、オーストラリア3バック攻略の素晴らしい手本を見せてくれた」コンフェデレーションズカップ2017 決勝 ドイツ-チリ

昨日はツール・ド・フランスも平凡なフラットステージだったので、ようやくコンフェデ決勝のドイツ対チリの試合を観戦。

シュート数は20対8で枠内シュートが8対3と、1-0でドイツが勝ったという事実が信じられないほど内容的にはチリがドイツを圧倒、負けはしたが南米王者らしい矜持を見せてくれて良い試合だった。

ドイツのフォーメーションは3-4-3で、守備時には5-4-1の形でリトリートして待ち構える守備なのだが、前線が1人だけなのでチリのDFにプレッシャーがかけられず、チリはCBやSBがファーストプレスを剥がして前に上がり、バイタルのビダルやサンチェスに縦パスを入れて基点にする形が非常に機能していた。

そしてボールを奪われても、ドラクスラーとシュティンドルの両ウイングをSBとインサイドハーフでしっかり挟み込み、サイドで基点を作らせず中盤でボールを奪い返し、畳み掛けるように連続攻撃を仕掛けていた。ハリルホジッチは、コンフェデでのオーストラリア戦をまとめたビデオを提供するそうだが、是非ともこの試合も3バック対策のお手本として欲しいところである。

それだけに、チリが猛攻を仕掛け続けていた前半20分にCBディアスがボールを足元でこねてしまった一瞬のスキにボールを奪われ、それまでチャンスは皆無だったドイツに先制点をみすみす献上してしまったのは痛恨だった。しかも、それまで猛攻を仕掛けていたとは言え、シュートコースが空いたらすぐにミドルシュートを打ってしまうなどチリに攻め急ぎが目立ったのも残念だった。

前半途中から、チリの勢いが落ちてドイツがペースを握る時間帯もあったのだが、後半のチリはプレスほど前半の勢いが無いにせよ、バイタルでボールを収めてから早いタイミングでサイドやニアゾーンを使うなど、よりドイツのDFラインをに下げさせる形を作れており、前半のうちにそういった幅広い攻めが出来る冷静さがあれば違った結果になったのではないだろうか。

しかしドイツも、内容的にはチリに完敗だったとは言え、GKテア・シュテーゲンを中心にゴール前ではしっかり体をぶつけて体や足を出すなど、最後までチリの猛攻を耐えきった冷静なポジショニング、集中力はさすがだった。これが日本だったらどこかでマークを外したり、つまらないミスで力尽きていたはずだ。

中2~3日で5連戦を続けながらも、なおかつこれだけインテンシティの高い試合が出来る、サッカー強国の底力をまざまざと見せつけられるコンフェデ決勝戦だった。