「誰が出てもどんなフォーメーションでも金太郎飴にしてしまうドイツの凄み」FIFAコンフェデレーションズカップ2017 ドイツ-チリ

昨日は、コンフェデレーションズカップ・グループBの本命同士の対戦、ドイツ対チリの試合を観戦。

ドイツは初戦から先発メンバーを4人代えて、3-4-3のフォーメーションにして来た。チリは、エースのアレクシス・サンチェスが先発に復帰した以外は、初戦のカメルーン戦と同じメンバー、フォーメーションは4-3-1-2。

試合はポルトガル対メキシコとは異なり、両チームともにインテンシティの高い立ち上がりで、いきなり前半6分に、ドイツの縦パスを拾ってからビダル、アレクシス・サンチェスのワンツーで抜け出し、サンチェスが左足でポストをかすめるゴールを決めてチリが先制点をゲットするが、直後にも同じようにドイツがチリのミスからドラクスラーがシュートするが、これは枠を外れてしまう。

ドイツの3バックは、守備時にはWBが下がって5バックになり、中盤もあまりサイドにシフトしてカバーをしないので、チリはWBの前にスペースを使って攻め込めるのだが、ドイツの守備は高さもリーチもあるので、単純にクロスを上げるだけではチャンスにならない。チリは19分にバルガスのシュートがクロスバーに当たったシーン以外は、攻め込みながらもドイツの守備を崩せない。

逆に前半35分頃から、徐々にドイツが個人のキープ力から盛り返し始める。やってる攻撃は、高い位置に上がったWBへビルドアップし、ウイングに縦パスを当てて中盤が拾い、同じサイドへ縦パスかサイドチェンジというワンパターンなのだが、どの選手も同じようにトラップ、キープ、ミドルパスが出せて、どこかに攻撃の核があるわけじゃないので分かっていても止められない。

そして前半40分に、チリのバイタルにスペースが空いたところをエムレ・ジャンが繋ぎ、左サイドをオーバーラップして来たヘクターにスルーパスが渡り、クロスを中へ飛び込んだシュティンドルが一瞬早く足に当ててゴールイン、ドイツが前半のうちに同点に追いつく。

後半に入り、相手の守備にギリギリカットされたがチリはビダルのロングスルーパス、ドイツは15分頃にセットプレイから立て続けにチャンスを作る激しい展開になったが、20分を過ぎるとどちらも疲労が出て来てあまり無理な攻めをしなくなり、このままドローで終われば良いかという空気が支配し始める。

その後は互いに単発のチャンスはあったり、ロスタイムにはチリのチャンスがオフサイドになった場面はあったがそのまま試合は1-1で終了。グループリーグ突破の可能性は最終節まで持ち越された。

若手主体の代表メンバーでターンオーバーもしながら、フォーメーションも4-3-3から3-4-3に変化しても、完璧にドイツのサッカーを表現してしまう選手層の厚み、基本技術の高さにはあきれるしかない。ちょっと中心選手に怪我が出ると、とたんにやってるサッカーの内容もクォリティも激変してしまうどっかの代表がドイツに追いつけるのは、果たしていつの時代になるのだろうか・・・