「フィクションでも書けない、3分間で直接FK2連発、ロスタイムに同点というジェットコースター」ロシアW杯欧州予選 グループF スコットランド-イングランド

ロシアW杯欧州予選のグループFは、イングランドが順調に首位を快走する一方、スコットランドは4位で厳しい状況ではあるものの、「バトル・オブ・ブリテン」と称される強烈なライバル意識を持ったチーム同士の対戦にふさわしい、フィクションでもこんな展開は書けないだろうという、凄まじく劇的な結末になった。

イングランドはケインの1トップに、2列目がララーナ、アリ、ラッシュフォードを並べた4-2-3-1で、スコットランドは3-1-4-2で守備時には5バックでしっかり守る布陣で、試合は序盤こそホームのスコットランドが勢い良く前に出るサッカーを見せたものの、10分ほどで試合は落ち着きイングランドがボールを支配する展開に。

18分には浮き球のパスをケインが相手を交わすトラップからボレーを放つが上に外れ、29分にもケインとラッシュフォードがロングボールからの展開でシュートを狙い、40分にはララーナがPA内で切り替えしてからのシュートを放つが、スコットランドGKゴードンのセーブにあって得点ならず、スコアレスで前半を終了する。

後半も互いに単発のチャンスはあっても決めきれないまま、イングランドは後半20分にラッシュフォードに代えてチェンバレンを投入すると、この采配が的中した。その5分後に、右サイドからのスローインからパスを受けたチェンバレンがマークを交わして置き去りにすると、そのまま中へドリブルで持ち込み、コースは甘かったがGKゴードンの手を弾く強烈なシュートを叩き込んでイングランドが先制する。

その後もイングランドが立て続けに4本のシュートを放ち、もう試合はイングランドの勝利で決まりかなと思われたのだが、試合残り3分からとんでもないジェットコースターが始まる。まず後半42分にスコットランドのグリフィスがゴールまで約20mの直接FKをゴール右に叩き込んで同点に追いつくと、その3分後にもスコットランドがまたPAすぐ外でファールをゲットし、グリフィスが今度は左に直接FKを2連発で決めて何とスコットランドが逆転。

しかし試合はこれで終わらなかった、まだスタンドが逆転劇で沸き立っている状態のロスタイム3分に、イングランドは左サイドでパスを繋ぐと、最後はスターリングがアーリークロス、これをファーでフリーになっていたケインがボレーで叩き込み、またまた劇的な同点ゴールを決めて試合終了。このゴールシーンでスコットランドのストラカン監督が物を叩きつけたのも良く分かる結末だったね(笑)。

これでイングランドは新エースのケインがチームを救うゴールでグループ首位を守ったわけだが、一方今までのエースだったルーニーがベンチ外で、イングランドの前線が交代選手を含めても20台前半が並び、世代交代の波をひしひしと感じる試合だった。今までは期待を裏切り続けてきただけに、今度のロシアW杯ではイングランドが活躍する姿を見たいところだね。