2016-2017シーズン海外組通信簿(ドイツ編その1)

さていよいよ最大派閥のドイツ組。数が多いので2回に分けます。

ドイツ・ブンデスリーガ

長谷部誠 6.5

10月からニコ・コバチ監督が採用した5バック戦術において、それまでのボランチからリベロへとコンバートされると、それまで眠っていた才能が開花し、文字通りフランクフルトの攻守の要としてあのベッケンバウアーにも例えられる活躍を見せ、一時はリーグ3位とチャンピオンズリーグ圏内に入るチームの原動力になった。

が、好事魔多しとはよく言ったもので、後半のバイエルン戦で右膝をゴールポストに激突させ半月板損傷の大怪我、シーズン後半戦を欠場すると同時にチームの成績も急降下、結局リーグは11位に終わってドイツカップも準優勝と、天国から地獄の1年になってしまった。まずは完全な状態になるまでしっかり治してもらいたい。

内田篤人 -

腱と筋肉の石灰化という、ほとんどの人がもう復帰は不可能だと諦めたであろう困難な状況から奇跡的な復帰を果たしたものの、シャルケでは既に内田のポジションにはライバルがどっかりと居座り、ヨーロッパリーグの1試合に出場したのみでその後は試合出場は無く、ヴァインツィール監督から戦力として認められるまでには至らなかった。

契約は2018年まで残ってはいるが、移籍金が取れる今のうちにクラブから放出対象とされる可能性が無いとは言えず、今夏の動向が注目されるところである。

香川真司 6

今期はスタメンとしてスタートしたと思いきや、9月の代表戦で負った怪我で欠場を強いられ、復帰したと思ったらまた怪我が悪化、結局3月ぐらいまではベンチ暮らしでほとんど戦力外に近い扱いになってしまったが、そこから突然好調さを取り戻し、チャンピオンズリーグやドイツカップで攻撃の中心として活躍、ようやくチーム内外に香川が完全復活した事を知らしめた。

怪我だけでなく、インサイドハーフにウイング、トップ下と、フィットしたと思ったらポジションチェンジを強いられ、バイエルン戦などのビッグマッチではスタメンから外されるなど、トゥヘル監督から本当の信頼を得られない2年間だったが、ブラジルW杯から見放されていた運が今度こそ巡ってくるのだろうか。

大迫勇也 7

昨シーズンは中盤やサイドで起用され、器用なのでどこでもそれなりにプレイはするが、助っ人としての価値を証明する得点はなかなか記録できず、不当な低評価を受けた1年だったが、今期は開幕からモデストとの2トップで固定され、ボールキープとチャンスメイクで非凡な能力を発揮、2人のコンビネーションでモデストを得点王が狙える位置まで引き上げた。

ただ後半戦はチームに負傷者が続出、前線までボールが来ないため大迫がまたサイドやボランチでリンクマンとして起用されるようになり、3月の最終予選UAE戦でも怪我をしてようやく最終盤になって調子が復活、ヨーロッパリーグの獲得に貢献はしたものの、自身の得点は二桁に届かず、やや不完全燃焼の1年になってしまった。モデストの移籍が確実視されているだけに、来期はチームの大黒柱になれるかどうか。

原口元気 6.5

攻守でハードワークできる運動量と、ドリブルのスピードと馬力で前線と守備陣を繋ぐチームの動脈として欠かせない存在になり、ヘルタのヨーロッパリーグ出場に大きく貢献、ダルダイ監督からも全面的な信頼を受ける立場になっていた。

とは言え、繋ぎ役として奮闘すればするほどチャンスでゴール前に顔を出せず、得点に直結する役目は同じ左ウイングを主戦場とするカルーに奪われ、原口は不得意な右サイドでカルーの分も守備のカバーと、裏方仕事ばかりの立場に葛藤があったようで、クラブからの契約延長に応じず終盤は干されてしまいシーズン終了。本人の夢はプレミアリーグらしいが、良いオファーが無くて来期もヘルタのままでは、メンタルが腐ってしまいそうで心配である。