「キャプテン本田の送別試合は、ミランでの3年半を象徴する幕切れに終わる」イタリア・セリエA第38節 カリアリ-ミラン

本田と長友がスタメンで出なくなってからはすっかりセリエAも見なくなっていたけど、最終節のカリアリ戦でミラン退団を決めている本田がキャプテンで出場したというので、久々に観戦してみる事にした。

既にミランはヨーロッパリーグの出場権、カリアリは残留を決めているとあって事実上の消化試合となり、どちらもヌルいムードでの立ち上がりになったのだが、よりヌルさが際立ったのはミラン。中盤でのプレスがおざなりで、サイドやDFラインをやすやすと破られて試合開始1分から決定的な場面を作られ、その後もドンナルンマが何とか防いでいたけど、17分に左サイドをあっさり破られてドリブルからシュートを決められカリアリが先制。

本田は、右ウイングにスソが入ったので4-3-3の左ウイングで先発、左利きなのでどうしてもワイドに張る形が多くなり、ミランの展開が遅くて相手の守備陣形が揃った後でボールが来るため詰まったプレイになりがちで、18分にクロスからチャンスを作った以外はなかなか決定的な場面に絡めない。21分には本田のCKから流して最後はバッカが飛び込んだが、ボールはクロスバーに当たってギリギリゴールならず。

前半30分でスソが怪我で交代、後半からラパドゥーラが入って後半のミランが3-1-4-2のフォーメーションになると、右SHに回った本田も良い形でボールが来るようになり、チーム全体の動き出しも前半よりは改善されてミランが試合のペースを握り、17分にパレッタがゴール前で倒されミランはPKを獲得するが、バッカのキックはGKに阻まれ得点ならず。しかし27分の2度目に与えられたPKは、ラパドゥーラが落ち着いて決めてミランがようやく同点に追いつく。

が、その直後にパレッタが2枚目のイエローを受けて今期5度目、セリエのシーズン記録に並ぶ退場を食らい(笑)ミランは防戦一方。本田も終盤は疲れが見えて攻撃に走れなくなってしまい、ロスタイムにFKを一度はドンナルンマが弾くものの、こぼれ球をピサカーネに押し込まれて試合終了。不完全燃焼に終わったミランでの3年半を象徴するような、本田の送別試合になってしまった。

本田は欧州に移籍してから、ずっと前線の選手としての起用を主張し続けていたが、Numberインタビューを見るとようやく中盤の選手としてプレイする決意をしたようで、個人的には「4年遅いわ!」と言いたくなったが、新しいチームで中盤選手としてどんな活躍を見せてくれるのか楽しみではある。プレミアやスペインからオファーが来るのではという噂はあるが、本田の特性を考えたらスペインがいいのではないかという気がする。そんなに代表の座にガツガツする立場でも無くなったので、本田が本当に行きたいと思うようなチームを選んで欲しいね。