「良くも悪くも集大成と言える内容、ドルトムントにトゥヘルの明日はあるのだろうか」DFBポカール決勝 フランクフルト-ボルシア・ドルトムント

昨日は恒例のイベントで朝から夜まで立ち続け、ヘロヘロ状態での観戦だったので簡単に。

結果的には本命のドルトムントが順当に優勝した試合ではあったのだが、実際はドルトムントの試合運びが非常に危なっかしく、フランクフルトが勝っていても何もおかしくない試合だったように思う。

ドルトムントのフォーメーションは、トゥヘル監督お得意の3-1-4-2。開始7分で、左から右のオープンスペースへ走り込んだピシュチェクにサイドチェンジが通り、ニアゾーンへ抜けたデンベレにパス、デンベレは深い切り返しでDFを交わしてフラデツキーの頭上を抜く強烈なシュートを決めたのだが、ドルトムントの攻撃パターンは「シーズンを通して」本当にこの形しか無かったと言える。

ロイスと香川のコンビネーションは良いのだけど、彼らに良い形でボールが入る事は少なく、結局はサイドの1対1で個人が勝つ事がトゥヘルサッカーの前提になってしまっている。デンベレやオーバメヤンの調子が良いと強いのだが、彼らが機能しないととたんに手詰まりになってしまう。この試合も後半早々にロイスが怪我をしてドリブラーのプリシッチが入った事で、皮肉にもドルトムントの反撃に繋がった。

そして、日替わりでコロコロ変えるトゥヘル監督の選手起用もまた最後まで変わらなかった。シュメルツァーからも批判が出たアンカーのギンター起用が機能せず、ビルドアップはほぼ香川がやっていたし、ポジショニングが不安定で度々危ないファールを献上してドルトムントはリズムを掴めず、25分にカウンターからサイドを破られて決定的な場面を作られた後、その4分後にソクラティスのパスミスから同点ゴールを許してしまう。

その後もフランクフルトのロングボールやカウンターに3バックは苦しみ続けたが、後半になると香川が攻撃の起点になってドルトムントがチャンスを作るようになり、オーバメヤンの決定的なシュートもあったがクロスバーに当たるなど決めきれない。が、21分にPA内に侵入したプリシッチをGKフラデツキーが明らかに倒してしまい文句なしのPK。これをオーバメヤンがパネンカで決め、マイヤーの頭を狙ったフランクフルトのパワープレイも何とか耐えて試合終了。

ドイツ・カップを5年ぶりに優勝し、チャンピオンズリーグのストレートインを獲得という結果は出したので、一応トゥヘル監督が続投する理由は十二分なのだが・・・選手からも直接批判が出ているのは退任は既に既定路線なのかもしれない。これからドイツメディアが騒がしくなりそうだ。