「今期24ゴール目を上げた久保に、また新たな壁が立ちはだかる」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ優勝プレーオフ ゲント-ズルテ・ワレヘム

ここ3試合勝ち星に恵まれず、残念ながら優勝の目は無くなってしまったゲントは、残り2試合となったズルテ・ワレヘムとの試合ではそれまでの得点力不足を覆す5-2の大勝を飾り、最低限の目標だったヨーロッパリーグのストレートインを確定させた。

この試合で久保は1G2Aとまたもや大活躍を見せたのだが、それは後半だけの話で前半の久保はむしろチームの足を引っ張る存在だった。とは言え、それは久保の出来が悪いというよりも、相手が完全に久保を警戒して来て、久保にボールが渡ると必ず2人で挟み込むようにして来たため、為す術無くボールを奪われるシーンが多くなった。

それでも、前半27分には久保がライン裏へ抜け出し、味方2人が並走したものの久保はそのまま左足のシュートを選択したが、ズルテ・ワレヘムGKボスティンの鋭い反応でセーブされ、せっかく訪れた絶好機もものに出来ない。

その分、これまでは得点は久保に任せっきりだった他の選手が頑張った。前半20分にクリバリーがFKを頭でそらしてファーに飛び込むヘディングを決めると、36分には相手のカットミスを拾ってからグラウンダーのクロスを出すと、狙いだったクリバリーにはタイミングが合わなかったが、左ウイングのサイフが中へ走り込み、キッチリ合わせて2点目をゲット。

後半に入ると、2点をリードされたズルテ・ワレヘムがゲントを押し込み、セカンドボールも拾われてサイドに連続で展開されるゲントにとっては苦しい状況が続く。が、ゲントGKカリニッチがスルーパスに反応して前でカットしたり、ミドルシュートを片手1本で防いだりと孤軍奮闘。

そして久保もやっと仕事をして、12分にサイフのアタックで奪ったボールを久保がドリブルで持ち込み、右にいたカルーへパス、これをカルーがきっちり押し込んで3点目をアシストすると、その直後にもGKのフィードをアウトサイドで流し、抜け出したクリバリーがファーへ流し込み4点目となる連続アシスト。

後半34分にはCKからレイエにヘディングを決められて1点を返されるが、38分に相手のミスから久保にスルーパスが渡り、久保はGKが前に出るコースを冷静に見て3試合連続となるダメ押しゴール。最後にまた1点を奪われはしたが結局試合は5-2で終了。裏のオーステンデとブルージュの試合でブルージュが負けたため、ゲントは最終節の直接対決で勝てばチャンピオンズリーグに行ける可能性が出て来た。

久保は最終的にゴールは決めたものの、今後はどこも久保を警戒して2人がかりで来る可能性は高く、その中でこれまでと同じようにゴールを量産して行けるのかどうか。来期もチームに残るなら、ベルギーリーグ得点王は現実的な目標になると思うので、この壁を打ち破るような、もう一段の成長が求められるところだ。