「空回りの悪い流れを、残留を決める自らのゴールで全てひっくり返してしまった武藤」ドイツ・ブンデスリーガ第33節 マインツ-フランクフルト

昨日は飲む用事があって酒が入った状態での観戦だったので簡単に。

32節終了時点で現在プレーオフ圏にいるHSVと同勝ち点の15位と、ブンデスリーガ1部残留に向けて絶対に負けられない、フランクフルトとのホーム最終戦を迎えたマインツだったが、試合の流れは完全に負け試合のそれであった。

武藤がベンチスタートの前半は、マインツが終始押し込んで9本ものシュートを放つのだが、22分のコルドバが放った決定的なシュートもフランクフルトGKフラデツキーが足1本で止めるなど運が無く、逆に中盤でのクリアミスを拾われてハーフカウンターを食らい、フルゴタに角度の無いところから決められて先制点を与えてしまうと、後半開始早々にもサイドチェンジからのクロスであっさり2人に飛び込まれてしまい、一度はGKが弾いたがそのままセフェロビッチに押し込まれて2点目を献上。

後半から武藤が投入されて4-4-2の2トップにフォーメーションを変更したが、相変わらずコルドバと武藤のコンビは機能せず、武藤が1人走り回ってボールを呼び込もうとするのだが、回りと意識が共有できず空回り、マインツもシュートは打つがどれもPAの外からばかりと試合のリズムはどんどんと悪い方向へ。

しかし後半15分に、オフサイドに見えたがコルドバがセンターライン付近から飛び出し、思いっきりニアを撃ち抜くゴールを決めた事で雰囲気が一変、その2分後には右からのFKをベルがヘディング、シュートに勢いは無かったがGKが触れないポストギリギリのコースに飛ぶラッキーなゴールであっという間にマインツが追いついてしまう。

その後は押せ押せのマインツに対してフランクフルトも何とか攻撃を凌いでいたのだが、後半31分にセカンドボールを拾ったボージャンがアーリークロスを上げると、中にコルドバと一緒に飛び込んだ武藤の頭に当たり、ボールはそのままゴール左上に飛び込みマインツがとうとう逆転。サポーターは大喜びで、武藤もクリロナばりにユニフォームを脱いで雄叫びを上げた。

ロスタイムには、PA左でパスを受けた武藤の突進をヘクターがコースを塞いで倒し、主審の判定はPK。キッカーは武藤じゃなくでデブラシスだったが、これをきっちり決めて4-2のスコアで試合終了。マインツは16位のHSVと勝ち点2差、14位のアウグスブルク、15位のヴォルフスブルクと同勝ち点の13位ながら、最終節がHSVはヴォルフスブルクとの直接対決になり、マインツは最終節で10点差以上で負けない限りは逆転されず、事実上の残留を決定させた。

武藤は殊勲の決勝ゴールと追加点PKゲットと活躍はしたが、見ていてストレスが溜まる空回り具合は相変わらずで、結果が無ければ前節に続いて悪い採点になっていた可能性が高かったように思うが、残留を決めるゴールで全ての悪い流れを自ら引き戻したのはあっぱれと言うしかない。シュミット監督は残留を果たしても解任濃厚だとされるが、来期はコルドバやボージャンと良いコンビネーションが生まれるようになってもらいたいものだ。