「バルサでは黒子、セレソンでは”メッシ”になってしまうネイマール」ロシアW杯南米予選 ウルグアイ-ブラジル

現在、ロシアW杯南米予選1位のブラジルが、2位のウルグアイホームで戦う注目の一戦は、蓋を開けてみればアウェイのブラジルが4-1で圧勝、ウルグアイがエースのスアレスを出場停止で欠くとは言え、力の差を見せつけた格好になった。

コパ・アメリカでグループリーグ敗退を喫するなど最悪の状態だったドゥンガ監督時代は、攻撃の選手と守備の選手が完全に分断され、その間をネイマール1人だけが繋ぐ状態、なのでネイマールが調子を落としたり不在になると一気にチームが崩壊していたのだが、チッチ監督になってからは全体が1つにまとまり、それゆえにネイマールが本当の輝きを見せ始めた事に尽きるだろう。

この試合でも、試合開始わずか3分で、左サイドでボールを受けたネイマールがドリブルでウルグアイの選手を次々に振り切って、あわや先制点というチャンスを作ったのだが、この1プレイでウルグアイの選手は前から守備に行く事が出来なくなり、それで出来たスペースを他の選手が使うという循環が出来てしまっていた。

バルセロナではメッシがまさにその役割で、右サイドのメッシに相手が引きつけられて出来た左サイドのスペースをネイマールがドリブルでボールを運ぶという形になっているが、セレソンでのネイマールは完全に逆の役回りになっているのが面白い。これだけ十分主役を張れる選手なのに、バルサでは脇役扱いされているのが不憫ではあるのだが・・・

さて試合だが、前半の10分にクロスをマルセロが胸に当ててGKへ返そうとしたところに抜け目なくカバーニが突っ込み、一瞬ボールを先に触ってPKを誘発、ウルグアイが幸先よく先制点をゲットしたのだが、その9分後にはネイマールからパスを受けたパウリーニョが同点ゴラッソ、後半もフィルミーノのシュートを弾いたボールをパウリーニョが詰めて逆転すると、30分にはロングボール一発にネイマールが抜け出し、ももトラップ1つでマーカーを置き去りにすると、GKをあざ笑う冷静なロブを決めるという完璧なゴールで3点目。これで試合は完全に決まってしまった。

そこから先はブラジルがカウンター三昧で、最後はロスタイムにCKの流れからクロスをパウリーニョが胸で押し込みハットトリック。しかしパウリーニョは広州恒大に所属しているし、同じインサイドハーフで先発したレナト・アウグストが北京国安にいるのだから、中国リーグは本当に豪華だよね(笑)。

他のカードでは、コロンビアがボリビアに、アルゼンチンがチリにそれぞれホームで手堅く1-0で勝利、順位はブラジルが2位に勝ち点7差でブッチ切り、アルゼンチンとコロンビアが3~4位と出場圏内に浮上、いよいよ役者が揃って来たという感じ。7位のパラグアイまではまだ可能性はありそうだが、はてさて・・・