「ようやく、香川はドルトムントに自分の居場所を見つけられたのか」ドイツ・ブンデスリーガ第24節 ヘルタ・ベルリン-ボルシア・ドルトムント

3日前にチャンピオンズリーグ・ベンフィカ戦を戦ったドルトムントは、ターンオーバーで3バックにはSBが本職のシュメルツァーが入り、左WBにはゲレイロが入るという苦しい布陣。そんな中で香川も10試合ぶりに先発となった。

香川が先発なので、また3-1-4-2のインサイドハーフなのかと思ったら、蓋を開けてみれば何と香川は3-4-1-2のトップ下。安易に3-4-3のウイングへ置かないあたり、トゥヘルも少しは香川の事を考えてくれているのかなと思った(笑)。

さてある意味崖っぷちに立たされた香川だが、相変わらずドルトムントのビルドアップはスムーズではないものの、ヘルタが予測してなかったせいか、前半は比較的香川がフリーでボールを触ることが出来、ボールを受けての鋭いターン、相手を背負ってからの逆を取る切り返しと、かつての好調時を思わせるようなキレのあるプレイを見せていた。

そして試合開始2分には、シュールレが盛大に吹かしてしまったが絶妙なスルーパスを通し、28分には3人に囲まれながらもドリブルで抜け出しドゥルムへ展開、39分にもオーバメヤンへピタリとパスを合わし、後半10分には中央でのパス交換から香川が細かいドリブルで溜めてオーバメヤンにラストパス、ようやくこれが決まってアシストを記録するなど、間違いなくドルトムントのチャンスを1人で作り出していた。

が、ドルトムントはそれ以外のメンバーがパッとしない。前半の11分に、ギンターがボール扱いにもたついたところを掻っ攫われて、イビシェヴィッチからドフリーのカルーにやすやすと決められると、26分にはまたギンターの不必要なファールからブラッテンハルトに豪快な直接FKを決められ2失点。ドゥルムとバルトラのサイドはカルーに終始チンチンにされ、香川も後半はヘルタのシュタルクにびっちりマンマークを付けられて消えがちになってしまい、試合はそのまま1-2で終了。

負けたとは言え、ロイスやゲッツェなど前線の怪我や病気が続いたおかげではあっても、香川トップ下の3-4-1-2は今後十分使える目処が立ったのは確実で、香川にとってもチームにとっても明るい材料となる試合だったように思う。ベンフィカ戦を見た限りでは、もう香川の居場所は無くなったかと思ってしまったのだが、良い意味でサプライズになって嬉しい。

原口については、香川とは逆に悪い意味で起用法が安定されてしまっている。左サイドのカルーが上がり目のバランスを取り、ほぼ自陣で守備をしてボールを持ち上がる役割に終始。たまにゴール前でボールに絡んでも、5分のドリブルシュートは大きく枠を外れ、後半9分にはカルーの折り返しをきっちり合わせられず。カルーが絶好調だけに黒子役に回って走り回り、疲れはあるのだろうがそこは集中して欲しいところだ。