「久保が数少ないチャンスで結果を出し続けている謎」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第29節 ワースラント・ベヴェレン-ゲント

何とかサーバーの移転も終わって(実際はまだすったもんだしているわけだけど)、ようやく昨日は落ち着いてサッカー観戦。休肝日だったので、酒が入ると退屈で眠くなってしまいそうなマルセイユかゲントの試合にするか考えて、前節は放送が無かったゲントの試合を選んでみた。

対戦相手は10位のワースラントだが、相変わらずゲントのサッカーは単調そのもの。フォーメーション的には3-4-3で、攻撃時にはWBが前線まで上がって5人が並ぶという浦和によく似たスタイルなんだけど、全体的にポジションが間延びしているので、DFラインからのサイドチェンジは届かないし、中盤からのパスもボールが長い距離を動いている間に相手が追いついてしまうのでカットされるし、前線がポストで受けてもまた遠い中盤へと返すだけなので動き直してもリターンがもらえない。

久保は3トップの右ウイングでスタート、頻繁に前線へ飛び出す動きを見せてもパスなんか出て来やしない。途中から左にポジションチェンジしていたが、特にそれで何かが変わったという事はなく、時々サイドでボールに絡みはするが、決定的なチャンスに顔を出す機会は皆無。試合前に、久保がこの試合でゴールを決めたことは知っていたが、この内容でいつゴール出来るのか本当に不思議だった(苦笑)。

そんなゲントにいきなり審判からプレゼントが送られる。前半の17分に、そんなに悪質では無かったように見えたが、デ・スフッテルが足の裏を見せて後ろからスライディングをかけたという判定で一発退場すると、さらに前半27分には守備の要であるCBカマーショが競り合いの中で頭をぶつけ、脳震盪みたいになって交代してしまう。

だが、交代選手が入るまで相手が9人になっていた時間帯でもゲントの停滞は何も変わらず。ごちゃっと前に人が固まるので後ろの枚数が足らず、常に5人以下で守っているような状態なので、1対1のドリブルで抜かれたり、相手が攻撃参加して来ると簡単に数的不利になってフリーの状態からシュートを打たれてしまう。

案の定、前半28分には右サイドをあっさり崩されてフリーでクロスを出され、ニアで交錯して潰れた裏に走り込んだミニがきっちり押し込んで10人のワースラントが先制。その後42分には、ようやくようやく2列目から前線に飛び出す動きに合わせたパスからクロス、これをペルベがヘディングで決めてゲントが同点に追いつくが、その3分後にCKの流れ球をクリアし損ねてボールを奪われ、またあっさり失点で1-2。

後半から、ゲントは久保をトップ下に下げて3-4-1-2にフォーメーションを変更、久保がバイタルでボールを呼び込んで、中盤も久保から近い場所にポジションを取るようになったので、ゲントもやっとこさパスを回せるようになるものの、5人以下の守備は相変わらずで、ワースラントのほうにいつカウンターから3点目が入ってもおかしくない展開が続いたが、GKカリニッチの好セーブなどで何とか持ちこたえると、後半12分に右サイドからのドリブルに相手が競り合いで倒れ、股間を抜くクロスをペルベが合わせてゲントが同点に追いつく。

そして後半28分にその時はやって来た。トップ下の位置で縦パスを受けた久保が反転、相手のDFがスライディングして来たが、冷静のその逆を付くコースに蹴ってボールの右端を抜き、移籍後6試合で4点目となる逆転決勝ゴールを決める。その少し前には、PAのすぐ外側でフリーになってシュートを打った場面はあったが宇宙開発になっていたので、そのままだと採点がチームでも下の方になりそうな試合だったが、結果さえ出せば全てがひっくり返るものである。

相手が4-4-2の場合は久保のトップ下が効く事ははっきりしたので、もしこのスタイルが継続すれば引き続き久保は得点できそうだけど、3-4-3のままだとよっぽどの運が無い限りは難しいように思うのだが・・・さてゲントのヴァンハーゼブルック監督はこの試合をどう見たのだろうか?