「ラッキーパンチが入っただけで、実質的にはドローと気を引き締めないと」アジア・チャンピオンズリーグ グループF 浦和レッズ-FCソウル

昨年のACLベスト16で対戦し、PK戦で負けてしまったFCソウルとのリベンジマッチは、何と浦和が前半のうちに5点を入れてしまうまさかの展開で5-2の大勝という結果になってしまった。

ただしそのうちの3点は、ほぼソウルにプレゼントをもらったようなもの。先制点の場面は、武藤がフリーでヘディングはしたがコースはソウルGKユヒョンのほぼ足元で、その瞬間に何故かジャンプしてくれたおかげで抜けて入ったゴールだし、2点目も守備の人数は十分いたのに誰も李へマークに行かずフリーでシュート、3点目もGKが手に当てながら後逸と、ほぼソウルが勝手に自滅してくれたおかげである。

とは言え、そんなラッキーパンチが当たったのも浦和の試合への入り方が良かった面もある。ACLでの日本勢は往々にして受けに回る入り方をしてしまって、相手の勢いを止めきれないまま失点してしまうパターンが多かったのだが、最近はようやく学習したのかそういう試合は少なくなりつつある。この試合の浦和は、むしろソウルに対してフィジカルコンタクトでは負けておらず、逆に相手が受けてしまったような感じで、時代は変わりつつあるなと感慨深い。

ソウルも後半は立て直して来て、前半はボロボロだったGKユヒョンも後半開始早々の連続シュートも鋭い反応で防ぎ、途中出場したラファエル・シルバの完璧なシュートを片手1本でセーブするなどまるで別人に変身したし、相手が前がかりになった分カウンターのチャンスは多かったのだが、これも前半とはまるで違って決めきれず、終盤に長澤、ズラタンと投入するもプレスは甘くなるばかりで守りきれなかったし、ラッキーパンチの3点を除けばドローと思って気を引き締める必要があるだろう。

あと少し心配なのが、浦和GK西川のプレイが不安定なところ。もちろんGKだけのせいではないが、ここまで公式戦4試合で実に8点を取られており、ソウル戦でも危ない飛び出しでPA内で先にボールを触られそうになったし、失点には繋がらなかったがCKの飛び出しでボールに触れなかったりと、代表正GKらしくない判断ミスが目立つ。単にコンディションが整っていないだけなら良いのだが、UAE戦が待っている事を考えると心配である。

ともかくこれで浦和はグループリーグ2戦2勝。オスカルやフッキを擁する上海上港も浦和が4-0で破ったウエスタン・シドニーに5-1で勝利して連勝したので、次は首位同士の直接対決になる。間違いなくこんな試合にはならないはずなので、ソウル戦の反省点をきっちり消化して臨んでもらいたい。