「小林監督ニュースタイルの清水、ホームでの初陣を飾れず」J1第1節 清水エスパルス-ヴィッセル神戸

昨晩は適当な時間にDAZNで見たい試合が無かったので、昼間に録画しておいた、NHKBSでやっていた清水対神戸の試合を夜に観戦した。

ちょうど鹿島とFC東京の試合と同じような4-4-2同士の対戦。欧州だと既に時代は3バックが主流になりつつあるが、日本は1週遅れで4-4-2のゾーン・ディフェンスが主体となっているようだ。

当然、どちらもコンディションは万全、ポジションのマッチアップで激しいプレスとデュエルが繰り返される展開になるわけだが、前半はホームでの開幕戦で勢いに乗る清水のペースで試合は進む。

清水の攻撃の特徴は、攻撃時はSHが中に絞ってSBが上がり、サイドでトライアングルを作ってクロスを鄭大世に合わせるというもので、かつての小林監督が得意としていた低めの4-4-2からカウンター狙いというスタイルから様変わりしたポゼッションサッカーを展開する。

が、清水はJ2で大活躍を見せながらも大宮へ移籍してしまった大前に代わって、2トップの一角に入った金子、10番を背負う白崎にあまり存在感が無くて厚みのある攻撃が作れず、セットプレイで単発のチャンスは作れず清水が押しながらも前半は両チームともに無得点で折り返す。

後半になると今度は神戸が逆襲する。清水のプレスに慣れてきたのか、神戸はレアンドロと田中順也が交互にバイタルへ下がってポストをこなし、中盤を経由してサイドを上がる選手に繋ぐ攻撃がスムーズに流れ始め、7分には田中順也が右サイドからグラウンダーのクロスを蹴ると、クリアがゴールポストに当たってあわやオウンゴールという決定機を作る。

そして後半26分に、神戸はCKから渡部が競り合いながらもヘディング、ゴールマウス左に飛んだボールは清水GK六反がかろうじて止めるものの、詰めていた橋本が押し込んで神戸が先制点をゲットする。

リードした神戸は小川、松下とフレッシュな選手を投入して中盤の運動量を強化、田中順也も守備に回って清水の反撃を防ぎ、4分のロスタイム中も大きな動きはなくそのまま1-0で試合終了。今期は優勝を狙う神戸が苦しみながらもアウェイで勝ち点3をゲットした。

清水はJ2で構築した攻撃的なスタイルをそのままJ1に持ち込み、しかもそれは十分機能していたように思うが、サイドアタックからのクロスを攻撃の主軸にするには、中で競るのが鄭大世だけでは苦しい。そこの厚みをどうやって作っていけるかがJ1残留のカギになりそうだ。