「ちょっと躓きかけた、レアル・マドリーへのリベンジ第一歩」アジア・チャンピオンズリーグ グループE 鹿島アントラーズ-蔚山現代

試合の生放送は録画を忘れてしまったんだけど、幸いにしてCSチャンネルは再放送をしてくれたので、昨日は遅ればせながら鹿島対蔚山の試合を見てみた。

鹿島のフォーメーションは4-4-2で、蔚山も全く同じ4-4-2。当然、試合は各ポジションでの激しいマッチアップが繰り広げられる展開になったわけだが、序盤こそ鹿島がホームの勢いで攻勢を見せるものの、ゼロックス・スーパーカップから6人を入れ替えた影響もあってか、コンビネーションが合わなかったりで得点ならず。逆に前半の32分に、右からのFKをヘディングで競り合ったボールがゴールに向かうが、鹿島に新加入したGKクォン・スンテがギリギリのセーブでかろうじて防いで一安心。

しかしこれで蔚山のほうに勢いが生まれ、その後は右サイドの中村と山本脩斗のポジショニングの乱れを突かれたり、蔚山のクロアチアコンビ、コバチェツとオルシッチのフィジカルと高さに押され、セカンドボールを拾われる苦しい展開が続き、後半開始早々にもハン・スンギュにボールポストを直撃する無回転ミドルを浴びる危ないシーンを作ってしまう。

後半15分ぐらいから、ようやく蔚山のプレスが弱まり始めてスペースが生まれるようになり、鹿島はレオ・シルバと永木のボランチを中心に中盤を制圧、試合のペースが一気に鹿島へ傾く。そして19分に左CKを鹿島が得ると、永木のキックに金崎が高い打点のヘディングで合わせて鹿島が待望の先制点をゲットする。

その後は蔚山もペトラトスを投入して攻勢を強めるが、鹿島も前がかりになった相手に落ち着いた守備を見せ、何度もカウンターを仕掛けるなどクラブ・ワールドカップで見せたような余裕がようやく見え始める。そして37分に、縦パスを受けた金崎が浮き球をDFラインの後ろへ送ると、それを拾った鈴木が右足でコントロールショットを決めて2点目。これで事実上の勝負あり。鹿島がレアル・マドリーへの長いリベンジ第一歩を勝利で記した。

Jが苦手とする韓国勢とは言え、プレーオフで勝ち上がった蔚山に対して前半のドタバタはちょっといただけなかったが、後半は何とか安定したプレイを見せられたのは石井監督としてもホッとしたところだろう。特に新加入のレオ・シルバとFKクォン・スンテは大当たり、レアンドロもゴール前での持ち過ぎはともかく、試合を通してはまずまずの出来で、ACLのみならずJリーグの他のチームにとっても、「今年の鹿島はさらに強い」という強力なメッセージになったのではないだろうか。