「スルーパスやダイレクトパスという言葉を知っているのは久保だけ」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第27節 スタンダール・リエージュ-ゲント

昨日はバイエルン対ヘルタの試合を見る予定だったんだけど、DAZNを開いて突然気が変わり、どうせなら生で見られる試合にしようと思って、ベルギーリーグのスタンダール・リエージュ対ゲントの試合を見てみた。

ご存知のように、スタンダール・リエージュはかつて川島、小野、永井が在籍していたクラブ。今はゲントとともに仲良くリーグの中位で争っている間柄。そしてフォーメーションも同じ4-3-3という事で、序盤から激しく各ポジションでマッチアップする展開になった。

まず試合のペースを握ったのはスタンダール・リエージュ。ミッドウィークに行われたヨーロッパリーグで、何とスパーズ相手に1-0で勝利する金星を挙げたゲントだが、その疲れもあるのかこの試合は一向にペースが上がらず。特にボランチのエシティは図体こそでかいが判断や展開が恐ろしくスローで、無駄に足元でキープして奪われたり、久保がDFライン裏へ走り込んでパスコースが空いているのに出さなかったりと文字通りの完全なブレーキ。

久保は3トップの左で先発したのだが、前半6分にゴール左からシュートを打つ場面があったぐらいで、いくらDF裏へ走り込んでもパスは出て来ないし、1トップのクリバリーはボールを引き出す動きをしてくれなくて久保とギャップが作れず、クロスやロングボールだけが前線に飛んで来ても高さのない久保ではどうしようもない。そして41分に、ゲントはあっさりと右サイドを破られてクロスをドカンと蹴り込まれて失点。

しかしゲントはラッキーな事に、後半6分にセットプレイの流れからアーリークロスを上げると、右からヘディングで落としたボールをDFミロトビッチがゴール前でキープ、そこから上手く反転してGKの逆を突くゴールを決めて同点に追いつく。

後半の久保は、DFライン裏へ抜けるような動きを辞めて、トップ下の位置へ動いてボールを受けるビルドアップの動きで攻撃のリズムを作ろうとするものの、やはりボランチから一向にスピードアップしないのでそこから再度ボールを受ける事が出来ず、すぐに手詰まり感が出てしまう。

結局、ゲントは試合を通じてシュートを5本しか打つことが出来ず、久保もその後はゴール前のチャンスには絡めず後半42分に交代。試合に負けなかった事だけが収穫という、しょっぱくお寒い試合だった。まあ何せダイレクトパスやスルーパスという概念が久保以外に存在しないチームなので、いくら久保だけが頑張っても限界はあるわけで、こりゃ本当に前途多難だよなあ・・・