「日本選手にとって、スペインリーグが鬼門で無くなる日」コパ・デル・アトランティコ 日本U-18-スペインU-18

昨日はネットを見ていたら、スペインで行われているU-18の国際大会、コパ・デル・アトランティコの決勝で日本がスペインと対戦して勝利し、優勝を飾ったというニュースが飛び込んで来て、たまたまYoutubeにフルマッチ動画が上がっていたので、ほっといたら消される可能性もあるかと思って昨晩はそれを見る事に。

カメラの角度が悪くて分かりにくかったが、日本のフォーメーションは4-4-2でスペインが4-3-3。試合は序盤から互いにプレスを掛け合う激しい展開になるが、日本はコンパクトなラインを保ってデュエルも負けておらず、むしろ日本のほうがポゼッションで若干上回る互角以上の展開で始まる。

そして前半の17分に安藤が相手のミスを拾ってGKと1対1になるが、シュートは左に外れて先制点ならず。逆に前半の21分に右サイドを強引なドリブルで突破されて失点かと思いきや、判定はオフサイドでラッキー。その後は4-3-3の利点を活かしてサイドで数滴優位を作るスペインのパス回しやドリブルで日本はマークを剥がされる場面が続くものの、何とか無失点で前半を折り返す。

後半になるといきなりスペインが高い位置からプレスをかけて来たが、3分に右SHの堀がDFラインの裏へ飛び出し、左SH田中陸からのアーリークロスを上手く足元に収めると、そのまま持ち出して左足でゴールを決めて日本が先制する。さらに23分、左サイドへ抜け出した田川亨介がグラウンダーのクロスを出すと、スルーした裏側に居た郷家がゴールの上に上手く突き刺し2点目を決める。

その後はスペインが次々に交代選手を投入して反撃に出ようとするが、むしろ個人でのゴリ押しが目立つようになってコンパクトなゾーン・ディフェンスを崩さない日本に対して攻めあぐねる時間が続き、試合はそのまま2-0で終了、日本がこの世代としては初タイトルを取ったという格好になった。

巨漢揃いのドイツとは違って、スペインでは日本人のテクニックや俊敏性はあまり売りにならず、どのチームもゾーン・ディフェンスが発達していて守備戦術の理解力と語学力に欠ける日本人は使いにくいという点があり、日本人選手にとってはスペインリーグは大好きなのに鬼門という存在になって久しいが、戦術理解力についてはもうスペインに追いつきつつあるのではないかという期待を持たせる内容だったように思う。

大会MVPは田中陸、得点王は堀が取ったようだが、両者とも身長がもうちょっとあればスペインからオファーが出たかもしれないね。そういう意味で面白いのは、186cmのボランチ伊藤洋輝。扇原や山村など、日本はテクニックのある大型ボランチの候補はいても、戦術理解力や個人戦術が乏しくてなかなか代表に定着できないが、伊藤はちともっさり気味だがポジションバランスを取ってスペインの攻撃を着実に摘み取っていた。橋岡大樹も、CBとしてはやや身長は低いが球際が強くてこれからが楽しみな選手である。