「酒井宏樹と吉田は先発で安定しているが弱点も似ている」フランス・リーグアン第25節 マルセイユ-ギャンガン

前節はターンオーバーを図ったものの下位のメスに敗戦を喫してしまい、ヨーロッパリーグ圏外の8位にまで落ちてしまったマルセイユ。今節は8位のギャンガン相手のホーム戦だったが、新戦力の活躍で2-0と勝利、後半戦への足がかりが見えた格好となった。

マルセイユのフォーメーションはいつもの4-3-3だが、アンカーにヴァンクールが復帰して左インサイドハーフにはモンペリエから獲得したサンソン、3トップはパイェ、ゴミス、トヴァンという形で、おそらくこれが後半戦のベストメンバーだろう。ギャンガンは4-2-3-1で守備時には4-4-2のゾーン・ディフェンスになるフランスではおなじみの形。

ただギャンガンは、これもフランスにありがちなアフリカン・ゾーン・ディフェンスで、一応4-4のコンパクトなゾーンを作るのだがマンマークへ移る動きが遅い。そこをマルセイユは見抜いて、ウイングのパイェとトヴァンが逆サイドに攻撃参加して来て数的優位を作り、ギャンガンの守備を混乱させた。移籍後初先発のパイェも惜しいシュートを積極的に放つ。

そして前半26分に、左サイドにトヴァンが寄ってパイェとの短いパス交換で相手を引きつけると、オーバーラップしていたサンソンにパスが渡り、相手の寄せが甘いスキを突いて出したクロスをゴミスが高い打点のヘディングを決め、マルセイユがまさに狙った形で先制点をゲットした。

その後もマルセイユのペースは続き、ギャンガン陣でのバイタルエリアで次々に基点を作って良い形を作るものの、決定力を欠いて追加点を決められず、そのうちまだ太め残りなパイェが流れから消え出してマルセイユにとっては危険な流れになりそうだったが、肝心のギャンガンのほうが一向に反撃の気配がなく試合は膠着状態に。

すると後半の26分にマルセイユはゴール前25mぐらいの地点でFKを得ると、パイェの蹴ったボールが相手の壁に当たり、うまくループシュートのような形になってゴールの上に吸い込まれてマルセイユが待望の追加点。これでパイェはお役御免で退き、マルセイユは4-4-2の守備にして試合を締めにかかり、最後は何度かピンチは作ったがシュートミスに助けられそのまま試合は2-0で終了した。

酒井は相手があまり攻めに出て来なかったのもあって、この試合は安定したプレイぶり。彼は吉田と似たところがあって、ゾーン・ディフェンスにおけるポジショニングが向上して、組織が整った状態だと良いプレイが出来るんだけど、カウンターに晒されたり数的不利な状況になった時に、個人守備戦術の弱さが出てオタオタ、バタバタしてしまう。レギュラーで使ってもらえるうちに何とか克服してもらいたい点だ。