「3度のGKとの1対1を決められなかったが、チームは”浅野シフト”で快勝」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第19節 シュツットガルト-フォルトゥナ・デュッセルドルフ

年末は連敗で足踏み、順位を自動昇格枠から外れる3位まで落としていたシュツットガルト。ウィンターブレイク明けのザンクトパウリ戦は辛勝の再スタートとなったが、19節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦では2-0と快勝、そして上位のハノーファーとブラウンシュヴァイクが負けたため、一気に首位へと返り咲く事になった。

そのデュッセルドルフ戦だが、立ち上がりはアウェイながらデュッセルドルフが高いラインを保って試合のペースを握り、これはシュツットガルトにとってはなかなか厳しい試合になるかと思われたのだが、カウンターからマネのスルーパスを受けた浅野がGKと1対1になり、シュート自体はデュッセルドルフGKレンジングの鋭い飛び出しに防がれてしまったが、このプレイ以降は一気にシュツットガルトがペースを握る。

ちょっと興味深かったのはシュツットガルトのフォーメーションで、表記的にはテロッデの1トップに、左に浅野、右にマネを配した4-3-3なのだが、左のインサイドハーフに入ったグリーンがサイドの高い位置に出て、浅野がトップ下的に中へ入ったポジションを取る事が多く、テロッデのポストを基点にスピードのある浅野が左右に飛び出す形にデュッセルドルフが対応しきれず、たまらずラインを下げてしまった事で戦況はシュツットガルトに大きく傾いた。

そして前半13分に相手のクリアミスを拾ってからのアーリークロスにテロッデがフリーで叩きつけるヘディングを決めてシュツットガルトが先制すると、20分にはスパッと大きく空いたバイタルエリアをドリブルで持ち上がり、クロスをグリーンがダイレクトで流し込みあっさり2点目をゲットする。41分にはスローインからのパスでまたも浅野が抜け出しGKと1対1になるがシュートは相手選手に当たて外れ、後半3分も左サイドで抜け出すがシュートはファーへそれてまたもゴールならず。

その後はデュッセルドルフが反撃に出て押し込み始めるものの、シュツットガルトも後半27分にFWのギンチェクを投入、4-3-3から4-4-2のフォーメーションに変更、浅野も右SHに移動して低いポジションで守備を安定させ、デュッセルドルフに追撃のゴールを最後まで許さず2-0で危なげなく逃げ切った。

浅野自身は3度のGKと1対1になるチャンスがありながら決めきれず、本人にとっては非常に不満の残る試合になってしまっただろうが、浅野のスピードが相手の守備プランを崩壊させ、シュツットガルトが快勝する最も大きな要因になった事は間違いなく、ボルフ監督が「我々にとってとてつもなく価値のある選手だ」と言ったことは決してリップ・サービスではない。

ま~でもやっぱりゴールは欲しいよね(笑)。シュートの場面だけではなく、ゴール前に飛び込んだところに縦パスを受けたシーンもトラップが跳ねてミスになってしまったし、スピードに乗った状態でどこまで正確なプレイが出来るかが課題だろう。メッシやオーバメヤンといった一流は、トップスピードでも常に余裕を持ったコントロールが出来ているからね。アーセナルでレギュラーを目指すなら、そこは絶対にクリアしないといけない壁だ。