「チーム戦術が良くても、個人戦術が足りないと」Jユースカップ 準決勝 サンフレッチェ広島FCユース-松本山雅FC U-18

今週は国際AマッチウィークやヤングなでしこのU-20W杯などの試合があったんだけど、その放送のほとんどがフジテレビNEXTでやってるので試合が見られず。朝日はケーブルテレビでまだ見られるんだけど、地上波を持ってるキー局が自分たちのCSチャンネル向けにサッカーの放映権を独占してしまうのは本当に止めて欲しい。

せめて、単独じゃなくてスカパーのサッカーセットみたいにパックで契約出来ればいいのに、逆に単独CSチャンネル契約の道具にされている事が腹立たしい。DAZNに駆逐されてしまえとも思うけど、戦術好きとしてはこまめなリプレイがやりにくいネットオンデマンドは使いにくいしなあ・・・

と言う訳で、昨晩はJユースカップの広島対松本山雅の試合を見てみた。この試合の1ヶ月ほど前に、松本山雅ユース所属の選手が強制わいせつなどの疑いで逮捕された事件があったが、チームはそのままユースカップに出場している。出場辞退すべきとの意見があるようだが、教育の場である高校のクラブならともかく(個人的にはそれも反対だが)、クラブユースで連帯責任を負わせる必要はないと思っている。

さて試合のほうは、前半8分に広島が相手の裏をかく壁をファーに巻くFKを決めて先制すると、14分にはGKとDFの連携不足からボールを取られて失点など、集中力を欠いた松本は前半のみで3失点を喫してしまい、後半開始からは追撃の勢いを強めたものの得点までには至らず、後半20分に4点目を取られた後は完全に気持ちが切れてしまった。で、結果的には7-0の一方的な試合になってしまった。

松本の監督が、初めての大舞台で前半は弱気なプレイになってしまったと語った通り、メンタル面の影響が大きい試合内容だったようには思うが、同じ3-4-2-1というフォーメーション同士の試合だっただけに、組織としての完成度という部分ではっきりした差が見られたのも事実である。

3-4-2-1フォーメーションのセオリー通り、松本は守備時になると5-4-1のラインを形成して守るのだが、ラインを作ってから誰がマークに行って誰がカバーするという約束事が出来ておらず、広島の選手がラインの間を抜け出してもお見合いをしてしまったり、誰もマークに行かず慌てて後ろから追いかけて間に合わなかったりと、言い方は悪いがただラインを作ってそれで満足してしまっているように見えた。

先日見た京都サンガユースについても、受けに回ってゾーンを作ったのはいいけども、そのゾーンに入った東京の選手を捕まえられずズルズルと下がっていたように、ゾーン自体はチーム戦術で作れても、そこからマンマークに移る判断、対処はあくまで個人戦術の部分であり、そこが両立していないと脆弱な守備になってしまう。

最近はユース世代でもゾーン・ディフェンスが当たり前になっているが、個人戦術についてはまだまだチームごとのレベル差が大きいように思う。Jリーグだけの選手になるならともかく、各年代代表での試合や、欧州移籍をする時に困らないよう、協会はもっと守備の個人戦術に力を入れて欲しいところである。