「長谷部が整えられるものにも、さすがに限界はあるわけで」ドイツ・ブンデスリーガ第3節 フランクフルト-レヴァークーゼン

昨晩のミッドウィークはブンデスリーガの第4節が行われていたが、その前に今期はまだ見ていない、フランクフルトの第3節を見てみた。

ここまでリーグ戦は2勝1敗(昨晩で3勝になった)と好調なスタートを切ったフランクフルト。その理由は、レヴァークーゼン戦の前半を見ていれば分かる通り、とにかく粘り強い守備と、そこから繰り出す徹底したサイド攻撃にある。

レヴァークーゼンのフォーメーションは並び的には4-2-3-1ではあるが、マイボールになるとボランチが前線に上がって4-1-4-1のような形になり、5人でフランクフルトのDFラインに圧力をかけて来た。が、フランクフルトはDFの4人とボランチの2人がコンパクトなブロックを形成してスペースを作らせず、ボールを奪ったらマイヤーとセフェロビッチにシンプルに当て、サイドで基点を作ってラインを押し上げるという地味な仕事を忠実に繰り返し、前半はレヴァークーゼンにボールポゼッションで6割を与えながらもシュートをわずか1本に抑えていた。

後半になるとさすがにレヴァークーゼンも修正をして来て、前半は5人が張ったままだった前線に縦の動きが加わり、ラインを整えてオフサイドをかけようとするフランクフルトの守備を2列目の飛び出しで無効化し始める。が、フランクフルトもレヴァークーゼンが攻勢に出てサイドが上がった後ろのスペースを上手く突き、後半8分に左サイドの混戦からファビアンが中央に浮き球のパスを送ると、これが飛び込んで来たマイヤーにピタリと合ってワンチャンスで先制点をゲットしてしまう。

しかし15分にレヴァークーゼンは、カウンターからフォラントがフランクフルトの選手と入れ替わって左サイドを抜け出し、ファーにフリーで待っていたチチャリートへグラウンダーのクロス、これをチチャリートがフェイントでGKの逆を取ってシュートを決め、レヴァークーゼンが同点に追いつく。

そこからは同点で調子に乗ったレヴァークーゼンが一方的にフランクフルトを攻め立て、フランクフルトは攻撃陣が相手の厳しいプレスの前にボールロストを繰り返し、セカンドボールを拾われてラインを全く上げられない苦しい展開。しかしGKのフラデツキーと相手の決定的なシュートミスに救われて何とか耐え忍ぶと、34分にエアポケットのように左サイドを抜け出すと、PA内に入ったレビッチが繋ぎ、中でフリーになっていたファビアンが難なく合わせて勝ち越しゴール。その後はレヴァークーゼンがパワープレイを仕掛けるも得点を許さず、フランクフルトが強豪を相手に価値ある勝利を手にした。

長谷部は、ダブルボランチでフスティとコンビを組み、どちらかと言うとアンカー的な役割で奮闘。前半の終わりごろには相手のハンドに対して強硬に抗議するなど、相変わらずの整え力を発揮していた(笑)。しかしクラブでの役割を見ると、人にガツンと当たる守備よりは読みでカバーする方が向いているようで、そうなるとやはり代表での相性は山口のほうが良いという事になるのかもしれない。そうなるとパスを散らせる選手に困るわけで、なかなか帯に短し襷に長しだなあと考えが振り出しに戻ってしまうのである。