「どちらもザルから復活した仲良し同士のスコアレスドロー」イングランド・プレミアリーグ第2節 レスター・シティ-アーセナル

昨シーズンはリーグで1位と2位という結果だったのに、ともに開幕戦を落としてしまったチーム同士の対戦。レスターは初戦は出場停止だったフートが復帰、オルブライトンと岡崎も先発に並び、カンテの代わりで入ったメンディ以外は昨シーズンと同じベストメンバーでのスタートになった。

試合が始まると岡崎が入った効果は明らかで、守備は前から絶え間なくプレスをかけ続けると同時に、マフレズが前に出るとすかさず左サイドをカバーするなどいつも通りの献身性で走り回る。岡崎が中央のスペースを潰しているため、アーセナルは余裕のあるビルドアップが行えず、どうしてもプレッシャーの薄いサイドにボールを回しがちで、チェンバレンやウォルコットがドリブルで崩そうとするのだが、レスターの堅牢な3ラインディフェンスの前にはゾーンの外側からミドルシュートやクロスを上げる事しか出来ず、前半はシュートこそ9本あったものの枠内はたったの1本という有様だった。

ただ、アーセナルも先発に怪我を抱えていたCBのコシールニーが戻った効果は明らかで、ヴァーディの裏抜けに対しては常に視野の中に入れてマークを怠らず、バイタルで頻繁に顔を出してボールの預けどころになっていた岡崎に対しては、ボランチのコクラン、ジャカとともに中央でボックスを作って囲み、それでも岡崎は何とかイーブンボールを五分以上味方に繋げていたのだが、マフレズは厳しくマークされて簡単には突破させてもらえず、メンディはカンテと違ってあまりボールは運べないし、ドリンクウォーターはまだ調子が上がってないのかボールの置き所が悪く、無駄なタッチをした挙句に横パスへ逃げる場面が多くてそこから先が続かない。

後半になると、どちらもややプレスが緩くなってレスターは攻め込まれるものの、その分カウンターの場面が増えて縦に激しい展開になるが、レスターはチャンスになりそうな場面でもラストパスが上手くヴァーディに入らずもどかしい流れ。そんななかで、カンテほどボールは奪えないものの、中盤のゾーンを埋めつつ相手にしっかり寄せる働きをしていたメンディが怪我のため退場、後半22分には岡崎に代えてウジョアといういつものパターンを行使した事で、守備力が落ちたレスターは自陣に押し込められてしまう。

しかしエジルやサンチェスの個人技をフートとモーガン、初戦の不出来がウソのように切れを取り戻したGKシュマイケルがアーセナルのゴールを許さず、25分には相手のミスから最後はヴァーディが抜け出し決定的なシュート、その後にもマフレズが右サイドを崩してシュート、途中出場のムサがサイドを切り裂くチャンスはあったが、アーセナルGKチェフの牙城を崩せず結局試合はスコアレスドロー。文字通りの痛み分けという結果になった。

レスターはまたも勝ち星は挙げられなかったが、昨シーズン唯一2敗を喫しているアーセナルにドローという結果は、メンディの怪我は心配だが一定の守備力は今シーズンも計算できるという証明になったわけで、降格という大崩れは避けられそうな様子。ただしこれからの過密日程の中で怪我人も増えるだろうから、可能ならもう一段階の補強をしたいところだ。アーセナルは守備こそ改善したけど攻撃がね・・・サンチェスの1トップは機能しないし、前線が渋滞して結局レスターのブロックは崩せないまま。とにかくジルーの復帰を待つしか無いところか。