「戦術的に最悪の組み合わせで、狙い通りの塩漬けにされてしまったフランス」EURO2016 決勝 フランス-ポルトガル

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強豪が揃ってしまった死の山を勝ち上がって来た開催国のフランスと、楽な山でしょっぱい試合を積み重ねて勝ちを拾ってきたポルトガルの対戦となったユーロの決勝戦。

戦力的には明らかにフランスのほうに分がある状況で、ポルトガルに有利な材料があるとすればフランスよりも試合間隔が1日空いている事、攻撃力はともかく守備力ではフランスに劣っていない事ぐらい。そうなると、ポルトガルの選択はとにかく守ってカウンターを貫き、相手の疲れを待って120分間のスパンで勝負を決めるしか無い。そして試合はそのポルトガルの思惑通りになってしまった。

フランスのメンバーは、準決勝のドイツ戦と全く同じメンバーとフォーメーションの4-2-3-1で、ポルトガルも出場停止だったぺぺがCBに復帰した以外は、ウェールズ戦と同じ4-1-3-2という形。という戦術論とは関係なく、試合開始直後はフランスがフルパワーでプレスをかけて来て、ポルトガルは中盤での繋ぎでミスを連発、ポルトガルGKルイ・パトリシオがかろうじて弾いた10分のグリーズマンが流したヘッドを始め、たった10分間で4回の決定機を作られてしまうが、ここで1点でも入っていればフランスが圧倒的な有利になっていたはず。

しかしそこで得点は生まれず、ドイツ戦から中2日で疲れが残るフランスは、徐々にポルトガルの戦術の罠に落ち込んでしまう。ポルトガルの策は、アンカーのウィリアン・カルバーリョがグリーズマンに密着マークし、ポグバとマテュイディにはナニとロナウドがプレッシャーをかけ、CBとSB、ボランチの6人はゾーンを崩さずコンパクトに守るという形を採ってきた。

このマッチアップだとフランスのDFラインがフリーになるが、密着マークされたグリーズマンはボールを受けに中盤へと下がってしまい、パイェとシソコはグリーズマンが動いたスペースを埋めに中へと入り込み、フランスの前線が真ん中で渋滞を起こして縦パスを出せるコースが無くなってしまい、その割にフランスの両SBはあまり高い位置取りをしないのでビルドアップに困り、結局ボランチのどちらかにボールを預けての遅攻をするしか手が無くなってしまった。

それでもフランスは、シソコがアンカーの脇でボールを受けると強引なドリブル突破でポルトガルゴールを何度も脅かすが、ここでもまた運命のイタズラが起こってしまう。前半の7分にパイェがクリスティアーノ・ロナウドの膝にタックルを浴びせた事で、ロナウドが靭帯を損傷、涙に濡れながら25分にクアレスマと交代、これによってポルトガルは2トップからナニの1トップにした4-1-4-1へとフォーメーション変更をしたのだが、これが対シソコという点では有利に働き、結局フランスは前半10分からはシュート3本に抑えこまれてハーフタイムを迎えてしまった。

デシャン監督は後半13分にコマンを投入、フォーメーションを4-4-2にしてコマンをサイドに張らせ、グリーズマンを前線に上げた事でようやく攻撃が活性化し、後半だけで10本のシュートを放つものの、後半21分にゴール前で完全なフリーになったグリーズマンのヘディングは枠を外れ、39分のシソコの強烈なミドルはルイ・パトリシオがギリギリのセーブ、45分には途中交代で入ったジニャックがフェイントでDFを交わしてシュートを放つもボールはゴールポストと、とことんツキから見放される。ポルトガルにもクアレスマの惜しいシュートはあったがセーブされて試合は延長へ。

延長に入ると見るからにフランスは動きが鈍くなり、ポルトガルもPK戦を視野に入れたのか無理はしないかと思われた延長後半3分、コシールニーのハンドからFKを経て、スローインからパスを受けたポルトガルのエデルがドリブルで切れ込み、ユムティティのマークを受けながら強引にシュートを打つと、フランスGKロリスが体重移動した逆を突くコースに飛んで、そこまで枠内シュートがたったの2本だったポルトガルがまさかのゴール。

フランスは直後にマルシャルを投入するも、疲れきった選手の攻撃は雑なままで、最後のパワープレイも実を結ぶことはなく試合終了。最後は監督と一緒にテクニカルエリアの中に入って選手に檄を飛ばしていたクリロナにとっても、2004年に開催国でありながら決勝でギリシャに負けた屈辱を晴らす、本当に嬉しい歓喜の瞬間となった。

結果論だけで言えば、中2日というスケジュールと戦術のマッチアップを考えると、最初から後半のフォーメーションとメンバーでやっていればと思うのだが、ウイニングチームネバーチェンジと言うとおり、そこまでの試合であまりにも上手く行き過ぎてしまったため、このまま腹を据えるしか無かったのだろう。ただデシャン監督の采配への疑問は当然だが、最初に試合が行われるグループAで1位なのに準々決勝以降の日程が不利になるようにした、主催者の責任も追求すべきではないだろうか。

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2016/07/12 | EURO, 未分類

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