「岡崎がなかなかホームで得点できないのには理由がある」イングランド・プレミアリーグ第23節 レスター・シティ-ストーク・シティ

イングランドのプロビンチャながら現在2位と7位同士の上位対決は、レスター・シティが2位の貫禄を見せつけ、前半42分にCKのこぼれ球をドリンクウォーターがミドルで先制点を流し込むと、後半21分に1発のスルーパスから抜け出し、外に一旦持ち出して角度のないところからゴールに流しこむヴァーディらしい復活ゴールで2点目、試合終了間際にもウジョアが3点目を決めてレスターが快勝した。

しかし、プレミアリーグは明らかにビッグクラブよりもプロビンチャのほうが戦術的に優れたものがあって、この試合も互いに堅牢なゾーンを作ってドリブルだけじゃなくてスピーディなパスワークを繰り出すサッカーだったので非常に見応えがあった。が、ゾーン・ディフェンスらしい精緻さという部分ではレスターに分があった事が試合内容と結果に現れたのかなと。

ストークの守備組織は、4-4にゾーンをセットするポジショニングは全くズレがないのだが、1度そのポジションにいる選手が攻撃で上がってしまうと、そこへ選手がスライドしていかないのでスペースがぽっかりと空いてしまう。逆にレスターは、ポジションがずれるディアゴナーレの連動が出来ている上に、岡崎が守備時には中盤に下がって、時にはフリーで上がって行く選手をマークして自陣ゴール前まで付いて行ったりするので、ほとんど有効な攻撃ができない。つーか、ストークは岡崎が負傷退場するまで何とシュートはゼロだったのだ。

これまでの岡崎の得点は全てアウェイで記録されたことが話題になっていて、この試合でも結局岡崎は振り向きざまに打ったシュート1本のみで、他にはマフレズのパスが緩くてカットされてシュートまで行けなかったシーンぐらいで、後はほぼ守備とつなぎ役に徹していて、前半はFWの選手なのに両チームで最も走行距離が長い選手になってしまった。むしろ、岡崎はホームよりもアウェイのほうが攻撃的なポジションにいると言っても良いぐらいだ。

その理由は、レスターの攻撃がホームではより前に早く攻める志向が高くなり、前の試合ではまずポストに下がる岡崎に良くボールが集まっていたのだが、この試合はヴァーディの飛び出しに合わせる形が多くなり、速攻偏重で前線と守備陣のスペースが間延びしがちになる分を、岡崎が守備の嗅覚でカバーする回数を増やして対応しているからではないかと思っている。

まあそれだけ、岡崎のハードワークがもはやレスターにとって欠かせないものとしてチーム戦術に組み込まれている証拠でもあるのだから喜ばしいところではあるのだが、もうちょっとホームでもヴァーディと役割分担して交互にゴール前に出て行くような形になったほうが、攻撃の幅を作る意味でも良いんじゃないかと思うのだが・・・なかなか実際には難しいだろうけどね。