「ゾーン・ディフェンスのチームが勝ち上がるのは嬉しい事」高校サッカー選手権 3回戦 神戸弘陵-国学院久我山

年末年始は相変わらず忙しく、一時的にハードディスクレコーダーの調子が悪くなったのもあって、なかなか高校選手権まで手を出せていなかったんだけど、ようやく3回戦にして今大会初めてのテレビ観戦。

で、ちょっと驚いたのが国学院久我山の戦術が、相当に訓練された正統派のゾーン・ディフェンスをやっていた事。ラインの上げ下げのメリハリや、守備から攻撃への切り替えスピードはやや物足りないが、スカルトゥーラ&ディアゴナーレの動きがとてもスムーズで、Jリーグユースでもここまできっちり統率されているところは無いんじゃないかと思うぐらい。

まあ、失点場面は中盤でアタックをかけたのに上手くすり抜けられて、DFラインの裏へスルーパスを出された形だったのは、いかにもゾーン・ディフェンスの欠点らしくてちょっと笑ってしまったけど、トルシエのフラット3じゃないが、それだけ選手の組織に対する信頼度が高い証拠でもある。

逆に神戸弘陵のほうはマンマーク戦術だったんだけど、やはりマンマークで深いところまで追いかける分、国学院久我山に比べると攻撃への切り替えが遅くなってポゼッション気味にならざるを得ず、失点自体はセットプレイとクリアミスによる失点だったが、個々のテクニック的には上回っていてもサッカーの効率性という面でこの結果になってしまったように思う。

常々、日本のサッカー選手はゾーン・ディフェンスを体で覚える事が出来ていないと嘆いているわけだけど、やはり既にユースレベルでは改善の兆しが見られるなと、この試合を見て確信の度合いが深まった。練習時間をかけられる分、かえって多くのユースよりも高校のほうが、指導者として戦術が浸透させやすいのかもしれない。

高校サッカーでは野洲のセクシーフットボールとか国見のパワーサッカーとか、静岡の個人技みたいなものばかりが注目されるけど、いい加減ちゃんとゾーン・ディフェンスをこなして強いチームが脚光を浴びるべきだと思っているので、国学院久我山には頑張ってもらいたいね。