「”自分たちのサッカー”だけでは多分勝てない」ブラジルW杯グループC コロンビア戦展望

さて明日の早朝は、1分け1敗の勝ち点1という崖っぷちで迎える我が日本代表のグループ最終戦。

かろうじて残った決勝トーナメント勝ち抜けの条件は、細かいことを言い出すともっと長くなるけど、原則的にギリシャがコートジボワールに引き分けか勝ちで、引き分けた場合は日本がコロンビアに2点差以上の勝利が必要で、ギリシャが勝った場合は基本的に日本がギリシャと同じ得失点差で勝てば良いという事になる。どちらにせよ他力本願である事には変わりないので、ひとまず日本がやるべき事はコロンビアに2点差以上で勝つことである。

ただ、当然ながらグループ最強を内容と結果の両面で証明しているコロンビアに勝つことだけでも相当な困難であるし、日本の現状のコンディションを考えると、かなりの高温になると思われるクイアバで、ほぼホーム状態のコロンビアに走り勝てるとも思えない。しかも相手は日本が最も苦手とする高速カウンターを大得意としているチームで、選手や監督がしつこく今までの方向性は変わらないと言ってはいるものの、正直言って普通に戦ったら普通に負けるだろうと思っている。

と言うわけで、個人的に考えた日本が取るべき方策は、どんな手を使ってでも「先制パンチを決める」事。

コロンビアの守備の特徴は、DFラインがあまり高い位置まで上げて来ず、CBがFWを迎えるようなポジションを取って相手をおびき寄せ、ボールがバイタルエリアに入って来たら素早い寄せと足元の狡猾さでボールを絡め取ってしまう。そしてそこから一気にハメス・ロドリゲスやクアドラードに縦パスを出し、高速ドリブルで一気にシュートまで持って行く。例えメンバーが変わっても、控えのラモスやキンテロもスピードがあるので全然気休めにならない。

つまり、いつものように長友が高い位置に上がって手数をかけた細かいパス回しをしたのではカウンターの餌食になりに行くようなものなので、少なくとも前半はSBの上がりを自重して徹底的に縦に早い攻撃を仕掛けるようにする。出来れば、裏のスペースに出たFWの動きに縦パスを合わせ、2タッチ以内でシュートまで持って行きたい。

それで運良く先制ゴールを決める事ができれば相手の守備も前に出て来るだろうし、この大会ではいずれもコロンビアが先制点を上げているので、多少なりとも試合運びに焦りとほころびが出て来るかもしれない。後半になって日本の運動量が落ちて来ると数的優位で守備をする事が出来なくなるし、スペースが空いた中での個人能力勝負で日本が勝つチャンスは極めて少なく、とにかくなるべく早い時間帯で点を取ることが必要だ。

従って、まずボランチの先発は縦パスへの意欲が強い青山を起用。相棒はカウンターの広いカバーリングを考えて山口。DFラインは、いつもどおりの長友、今野、吉田、内田。ただし前半は長友の上がりは自重して後半勝負。前線は、さらに奇策で行くなら本田を1トップにして潰れ役をしてもらい、シャドーに位置には岡崎か柿谷を置いてSBのスペースへ裏抜けを狙ってもらう。香川はギリシャ戦に続いてベンチスタート、スペースが出来る後半にジョーカーとして使う。

まあ、ぶっちゃけこんな形で本当にコロンビア戦を戦うとは思わないけど、これまでのように中途半端に攻め上がって足元で回すチンタラパスサッカーじゃ絶対に通用しない相手なのは確か。トップにボールを当てた時にはサイドやFWが動き出し、ボランチからダイレクトで展開する3人目の動きが出て来ないと厳しい。

なので、ザックにはあえてこれぐらい思い切って戦略に振った選手起用をしてもらっても良いんじゃないかと思う。きれいな内容で美しく散るよりも、あくまで結果、勝負にこだわった采配、執念、悪あがきを見てみたいね。