「なでしこジャパンの逆襲」U-17女子ワールドカップ 日本-スペイン

昨晩に飛び込んできた、U-17女子W杯で日本がパラグアイに10-0というすさまじい大差で勝利したというニュース。

U-17女子W杯については、一応スペイン戦とパラグアイ戦の両方を録画してあったんだけど、パラグアイ戦のハイライトを見るとあまりに相手GKのレベルが酷くて、ちょっとこの試合では正しい実力を測るのは難しいと思い、最初のスペイン戦を見てみた。

スペインはあの女子サッカーでは世界トップの国であるドイツに勝った事があるチームらしく、各選手のテクニックが高くてフィジカルもアジアレベルを超えており、日本戦では前半の15分ぐらいにGKと1対1になる決定機を作ったものの、意外にそれ以降はさっぱりになってしまっていた。

その理由は攻撃への切り替えの遅さ。スペインは4-3-3のフォーメーションを作っていたのだが、マイボールになっても各選手がほとんど元のポジションから動かないので、DFがボールを持っても出しどころがなくて横パスばかりになり、前の3-3に対して日本が4-4の形で数的優位を保ったままプレッシャーをかけるので、スペインはほとんど自力では前にボールを運べていなかった。

それに対して日本は、スペインがボールを持つと必ず1人ではなくて2人の選手がプレッシャーをかけて有利な形でのキープを許さず、ボールを奪った後には必ず周りの選手がスペースへと走りこんでパスコースを作るという、攻守においてフォローの動きを絶やさず、勢いに乗ってからはスペインのお株を奪ううねるようなドリブルなどの個人技も駆使し始め、前半の中頃からはほぼスペインを圧倒する力を見せつけた。

とは言え課題が全く無かったわけではない。何度も流れから決定的なチャンスはあったのに、結局得点が決まったのはセットプレイからの2点。強いシュートを撃つ筋力が無ければ、相手のタイミングを外すとかの工夫が必要なのだが、単にギリギリのコースを狙って外したようなパターンが多かった。その辺は女子に限らず日本全世代共通の課題ではあるんだけどね・・・

あとはグループリーグで運動量を全開に出しすぎてるんじゃないかという不安はある。優勝を狙うのであればターンオーバーや力の抜きどころは必ず必要になるんだけど、日本はその辺のコントロールがこれまたさっぱりなので、3戦目で手を抜いた後の引き締めが出来るのかどうか心配である。

東アジア大会、U-20女子W杯出場権獲得失敗と悪いニュースが続いたなでしこジャパン。ここに来てアルガルベカップ、U-17と再び波が来ていそうなだけに、ここで大きな結果を是非とも獲得してもらいたい。