「いろいろとモヤモヤ感が残る一戦」ドイツ・ブンデスリーガ第25節 ヘルタ・ベルリン-ハノーファー96
- 2014.03.18
- ドイツ・ブンデスリーガ 未分類
前の2試合を共にドローという結果に終わっている、細貝擁するヘルタと酒井宏樹のハノーファーの対戦は、アウェイのハノーファーが3-0で大勝という意外な結果に終わった。
しかし前半のペースを握っていたのはヘルタ。前節途中出場で出来が良かったロニーと得点ランク2位のコロンビア代表ラモスのコンビネーションで何度もハノーファーゴールに迫るものの、肝心なところでラモスが足を滑らしたり、シェルブレットが決定的なシュートを2度も外すなどなかなか得点ができない。
ただ、ヘルタは確かにチャンスの数は多いのだが、ロングボールを中心に前に放り込んでセカンドボールを拾ってFWに集めるパターンが中心で、全体が前がかりになってDFとっ守備的なボランチの細貝が孤立し、ほとんどまともにビルドアップ出来ていなかった。
そして案の定、後半開始4分でハノーファーが右サイドをドリブルで突破し、折り返しをシュティンドルが上手くトラップで止めてからのシュートを決め、ハノーファーがワンチャンスで先制点を決める。そして12分にも、守備陣が上がり切ったところでタックルを交わされ、そのまま綺麗にカウンターを決められ2点目。これで流れ的にはほとんど勝負アリで、最後はロスタイムのダメ押しを決められ0-3で終了。
定石から言ってもヘルタが先にチャンスを決めていればという試合ではあったが、この試合での細貝が日本代表であまり良くない出来の時と同じような環境になっていたのが気になった。
細貝が一番力を発揮する使われ方は、相手のエースをマンマークで潰すか、プレスのセカンドエフォートをかけ続けてボールを狩り取り、近くの味方に素早くパスを渡す役割であって、そのためにはなるべく周りに味方が多く居る必要がある。
しかしこの試合のヘルタは全体が上がり目でボールを受ける積極的な動きがなく、細貝も3バックセンターのようなポジションになる事が多かったので、いざボールを持ってもパスコースが無くて迷った挙句、横パスやバックパスになる事がほとんどだった。珍しく細貝は途中交代になってしまったが、足元で受けたがるロニーがトップ下のダブルボランチという形は日本と似ているところが多いからな、と思わざるを得なかった。
代表だと、3ボランチで両サイドが遠藤と長谷部という組み合わせなら輝きそうだが、ザックの場合は守備的なサッカーに切り替える時ぐらいしかその形は無いと思うので、まだまだ代表においては細貝の受難が続きそうだ。
代表での悩みという点では酒井宏樹も無縁ではなく、この試合ではハノーファーが先制した後はオーバーラップをせずに4人のDFの1人としてプレイする形がほとんどで、それで守れていたから評価自体は高かったんだけど、SBの攻撃参加で違いを見せる代表にあっては痛し痒しな起用法である。
とまあ、いつの間にかもう秒読み状態になっているブラジルW杯を睨みながら、いろいろモヤモヤを感じた試合であった。
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