葛西選手の銀メダルに思う、長期視点の必要性

昨日は夜にインテルの試合を見始めたものの、1時間ほどで眠気の限界を感じて寝てしまいました・・・まあその理由は、ソチ五輪の録画を見ていたので時間が無くなったからですが(笑)。

実を言うと、昔から自転車と同様にウインタースポーツを見るのが好きで、たまにNHKでやってた世界選手権でアルベルト・トンバの活躍を見たりしていましたし、ジャンプはクラシカル時代から、八木弘和さんが銀メダルを取ったレークプラシッド五輪で天才と呼ばれた秋元正博さんがメダルを取れなくて落胆したぐらいの観戦歴を持ってます。

なので、アルベールビルから出場を続けている葛西選手の銀メダルは嬉しかったですね~。クラシカルからV字への転向に多くの選手が苦しむ中、ルール変更まではスキーの先端よりも頭が下に出るカミカゼスタイルで一世を風靡した天才ですが、こと五輪にかけては悲運がつきまとい、7大会目にしてようやく個人種目でのメダル獲得となったわけです。

しかも、フィジカル能力の中では最も年齢が影響すると言われる瞬発力で勝負するジャンプ競技で、41歳にして世界トップクラスを維持するというのが脅威以外の何物でもありません。サッカー界ではサネッティがサイボーグ扱いされてますが、ジャンプでは間違いなく葛西選手が該当するでしょう。

ただ、葛西選手のメダルはもちろん他の日本人選手の順位も上位につけた事で、次の団体戦でのメダル獲得が期待されているようですが、ちょっとハードルが上がりすぎている感はありますね。

女子ジャンプの高梨選手が失速したように、今回のソチの会場はかなり風の向きが変わりやすく、周りに風を遮るものが無いので相当気象条件に左右されてしまうようで、今回のラージヒルでもW杯上位選手がその餌食になってました。なので、ラージヒルの成績が団体戦につながるとは考えないほうが良いと思います。ぶっちゃけ運頼みの部分が強いのではないかと。

と言うか、そもそも4年に1度の1回の競技で選手の絶対価値が決まってしまう現状をまず何とかすべきなんでしょうけどね。サッカーにとってチャンピオンズリーグがあるように、スキーの世界でも毎年連戦で競われるワールドカップがあるのですから、そこに注目が集まってマネタイズ出来るようにならないと、本当の強化にはつながらないと思います。

葛西選手は欧州ではレジェンドとして各国の選手、コーチから尊敬を集めている存在ですが、もし今回メダルが取れなかったら国内では原田や船木に比べて一般的に知られていない選手のままで終わっていた可能性は高いです。まあ、世界選手権を10連覇して欧州ではVIP扱いな中野浩一しかり、そういう事は日本では珍しくないのですが・・・

もちろん試合となれば応援はするし結果に一喜一憂はしていますが、本番で失敗した選手にこそ温かい視点で見ようと心がけています。