「決定力だけの問題なら簡単なんだが」ドイツ・ブンデスリーガ第17節 ニュルンベルク-シャルケ04

まー、開始3分に清武がゴール前に飛び出してロングパスを味方が触ったボールを拾ってのシュートをGKにぶつけてから、ニュルンベルクは幾度ものGKとの1対1でシュートを決められず、絶不調で全然動けてないシャルケにスコアレスドローと、とことん決めきれなかった前半戦を象徴する試合になってしまった。

シャルケに関しては語ること無し。サンタナとマティプは裏取られまくり、サライはキープ出来ず、2列目は機能不全。狭いサイドで苦しくパスをつなぐだけなのでファルファンや内田の上がるスペース無し。内田はご苦労さん(苦笑)。

確かに、ニュルンベルクは攻撃の形作りという部分では前任者の時代からずっとマシにはなって来た。ビージンガー監督時代は選手もフォーメーションも毎試合コロコロ代わって役割がはっきりせず、選手個人(と言うかほぼ清武)のひらめきによる単発パスが攻撃の全てだったが、今は中盤の3人が清武と長谷部、フランツで固定され、清武と長谷部が交互に下がってパスを受け、前線がバイタルに下がってポストをこなし、また中盤からスルーパスやサイド攻撃という縦の組み立てが出来るようになって来た。

ただしまだまだ足りない部分も多くて、CBとSBにビルドアップの意識が薄くて相手の陣形を左右に振りながらクサビを入れるという事が出来なくて、攻撃の開始場所が清武と長谷部に偏り、そこからで一発打開しようというパスが多いのでゴール前に清武が上がっていける時間が作れず、結局は裏への抜け出しからシュートか、サイドからひたすらクロスしか無くなり、ご存知のようにGKと対峙しての1対1というのはシュート下手な選手にとってはハードルが高いもので、決定力を持った選手がいないニュルンベルクの得点力が解消されないままになっている。

こういう時はついつい、吉田や森重がいればCBのビルドアップはマシになるだろうし、ドゥルミッチやギンチェクなら柿谷のほうがよっぽど点を取るだろうと妄想してしまうのだが、まあ彼らが入るプラスだけじゃなくてマイナス面はあるだろうし、3人の日本人が同時にピッチはさすがに無茶があるだろう。

この状況を打開するのは、やはり清武が得点を決めるしか無いとは思うんだけど、上に挙げたビルドアップの問題に加え、彼自身の決定力にも課題があるので正直しんどいなと感じている。決定力がある香川や柿谷と根本的に違うのは、ゴール前でGKの位置や挙動を見て瞬時にプレイを変化させる事が出来ない点なんじゃないかと思っている。中盤で相手の寄せに応じてプレイを変化させ、味方の動きを把握して正確なパスを出せる清武が、何故ゴール前でそれが出来ないのか本当に不思議なんだけど、必要な才能はまた両者で全然違うんだろうなと。

ならば清武がもう一段階上のレベルに上がるには守備を鍛えてボランチの線しか無いように思うのだが、肉弾戦は明らかに避けているしなあ・・・ボランチとしての攻撃面での才能は中田以上だと思っているので、何とか地道に成長するのを待つしか無いのか。長谷部がガツンと整えてくれないかな(笑)。