「代表でも細貝のCBが行けんじゃないか?」ドイツ・ブンデスリーガ第14節 ヘルタ・ベルリン-アウグスブルク

前半の20分にCBのラングカンプが故障で退場し、それ以降の70分間は何と細貝がCBとしてプレイして最後まで無失点、試合後には監督やメディアからべた褒めという目を疑うような評価を受けたアウグスブルクとの試合。

いや、それはさすがに緊急事態を本職でない選手が乗り切った事に対するご褒美の上乗せ評価だろうと思っていたら、これが本当に良かったので二度驚いた(笑)。

ボランチでプレイしている時の細貝は、とにかく守備では相手をガンガン追い回して攻撃ではシンプルに味方へと短くつなぐプレイが特徴で、ヘルタではそのスタミナとアジリティが評価されているんだけど、純粋なパス能力とポジショニングバランスを重視する代表では長所があまり活かせず、先の遠征では山口螢に序列が抜かれてしまうなど、レギュラーがなかなか取れないでいる。

ところがCBでプレイしてみると、当然ながら無理に追い回すことが出来ないのでポジショニングの破綻は少ないし、スピードとスタミナを持っているのでラインを高く保つことが出来、ハイボールの落下点予測が良いのと競り合いに強いので身長の割に安定感がある上に、相手に詰め寄られても慌てないしビルドアップ能力が高くて結構ミドルパスをスイスイ通すことが出来ていた。

さすがに、相手のクサビへのボールを止めきれずに裏を取られたり、バイタルエリアへの侵入に対してチェックが遅れたりした場面はあったが、そこは他のDFが良くカバーしていたし、ニワカCBとしては十分過ぎる働きだったと言える。何より、彼の長所である思い切りの良さでチームの攻撃にスピード感とリズムを作れていたのが良かった。

これだけのプレイをすると次の試合でもCBとして使われそうだが、もしかすると代表でも悪い時の今野よりもCBとして使えるのではないかと思う。特に3バックならオーバーラップも期待できるし。つーか、やらかし度合いを考えると下手すると吉田より良いかも(笑)。というのは冗談としても、ザックにはこの試合を是非見てもらって、細貝の新たな一面を認識して欲しいなと思う。