「たまには攻撃的なチームが勝って欲しい」ナビスコカップ決勝 浦和レッズ-柏レイソル

けが人が出てベストメンバーが組めない柏に対して、ほぼ万全の状態で臨める浦和が有利と見られていたナビスコカップ決勝は、浦和がボールポゼッション69%と圧倒的にボールを保持するも、前半ロスタイムの失点のみで負けてしまうという結果に終わってしまった。

策士ネルシーニョ監督が取って来た浦和対策はシンプルそのもので、浦和の3トップに対して3バックがほぼマンマークでビッチリと付き、サイドもほとんど上がらない5バックで浦和の縦パスを徹底的に封じ込めた。

浦和はまんまとその術中にハマり、頼みの興梠にはほとんどボールが入らず、左サイドの槙野が宇賀神にWBを引きつけた後のオーバーラップで何とかクロスにつなげるものの、柏はそこも承知で中をしっかり固めることで対処し、右サイドはジョルジ・ワグネルがほぼ抑えこんで、高さの無い浦和の3トップにクロスを当てさせなかった。

まあ、一方が圧倒的にポゼッションしながらも縦にボールが入れられず、横へ横へと回しながら人数が揃っている中に最後は突っ込まざるを得なくなってカウンターを食らうという図式は、代表のベラルーシ戦やU-17でいい加減見飽きた光景なんだけど、やっぱりパススピード、特にサイドチェンジで大きくボールを動かしてDFをずらすという根本の部分が日本のチームに足りないのだと思う。

その象徴が柏の得点で、まさに逆サイドでフリーになっていた藤田からサイドチェンジのクロスが工藤の飛び出しにドンピシャで合ったわけで、こういう形を作れるのはACLで外国勢と現実的な戦いで勝ってきた経験のおかげかもしれない。

さすがに後半の浦和は多少工夫はして来て、サイドのオーバーラップに加えて中盤の阿部が2列目を追い越して攻撃参加するなど、縦のポジションチェンジで柏のマークを揺さぶりチャンスを数回作ったものの、最後のシュートが決まらずロスタイムの興梠の得点もオフサイドになってしまい敗戦。

まあ柏のしぶといカップ戦ならではの戦い方を褒めるしか無いのだが、いい加減攻撃的なほうが攻め勝つ試合を見てみたいなと思ってしまうのであった(苦笑)。それはともかく、柏の皆さん、サポーターの方は本当におめでとう!